世界大百科事典(旧版)内のTrommsdorff,J.B.の言及
【舎密開宗】より
…巻1に化学親和力,溶解,熱素による状態変化などの総論,巻2~15に無機化学,巻16~18に有機化学,外編3巻には温泉分析など分析化学が書かれている。 原本は,〈序例〉によれば,イギリスのヘンリー(W.Henry)原著《化学入門An Epitome of Experimental Chemistry》の第2版(1801)を,ドイツ人のトロンムスドルフJ.B.Trommsdorff(1770‐1837)が増注しドイツ語訳本としたものを,さらにイペイA.Ypey(1749‐1820)が増注してオランダ語に重訳し,アムステルダムで1808年に刊行したもの(これは《Chemie voor Beginnende Liefhbbers of Aanleiding》(1803)とされる)という。榕菴は,原本のほかラボアジエ著《Traité élémentaire de chimie》(1789)の蘭訳本《化学原本》(1800),イペイ《依氏広義》(1804),スマルレンブルグ《蘇氏舎密》(1827)など二十数冊の蘭書,さらに和漢書を対照・引用し,また自ら実験・考察も行って本書を書き上げており,単なる訳書ではない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」