世界大百科事典(旧版)内のtusu-sinotchaの言及
【アイヌ】より
…【河野 本道】
【文学】
広義には歌謡も含まれるが,一般にアイヌの文学といわれているものは,口承文芸の中の叙事文学に属し,〈うたわれるもの〉と〈語られるもの〉に大別できる。これらはアイヌの社会にシャマニズムが生きていた頃の託宣の言葉がトゥス・シノッチャtusu‐sinotcha(巫謡)となり,ユーカラyukar(詞曲)へと発達し,さらに語られる文学へと発展したものである。神の託宣を母体とするので,〈私は……私は……〉と,第一人称説述体で語られるものが多い。…
【ユーカラ】より
…yukarの原意は〈まねる〉だが,体験を物語る意味になり,詞曲(アイヌの口承文芸のうちの〈うたわれるもの〉を指す)の総称にもなった。アイヌの社会にシャマニズムが生きていた頃の託宣の言葉が巫謡tusu‐sinotchaとなり,ユーカラへと発達したとされている。神の託宣が母体だから,本来は〈私は……私は……〉というように,一人称で語られる。…
※「tusu-sinotcha」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」