世界大百科事典(旧版)内のTutuola,A.の言及
【アフリカ文学】より
… 南アと並んで放送,出版などのジャーナリズム,高等教育機関の発達が早かった西アフリカ,特にガーナとナイジェリアは現代小説のメッカである。ナイジェリアでは1940年代後半からアフリカ人の都市生活を活写し,大衆小説の分野で息の長い活躍を見せているエクウェンシCyprian Ekwensi(1921‐ )やヨルバ説話に取材する《ヤシ酒飲み》(1952)で知られるチュチュオーラAmos Tutuola(1920‐ )らがいるが,後代への影響力の点でアチェベが傑出する。処女作《部族崩壊》(1958)で,彼はアフリカの伝統価値と西欧近代の価値との相克,そこから結果するアフリカ側の悲劇という,現在では古典的ともいえるテーマを開拓した。…
【ヨルバ族】より
…奴隷貿易の時代には100万人単位のヨルバが大西洋を越えたが,彼らが伝えたヨルバ音楽は北アメリカの黒人音楽やカリプソの源流となり,ブラジルや西インド諸島では今日でもヨルバの伝統的な神々が礼拝されている。《やし酒飲み》(1952)で知られる作家チュチュオーラAmos Tutuola(1920‐ )やナイジェリア出身でアフリカ現代音楽の旗手サニー・アデ(1946‐ )は,このようなヨルバの伝統を現代によみがえらせるものといえよう。【渡部 重行】
[美術]
ヨルバ族は芸術的才能に秀でた部族として知られ,とりわけ13世紀ごろのイフェの宮廷ですぐれた美術品が作られた。…
※「Tutuola,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」