世界大百科事典(旧版)内のWeil,G.の言及
【イスラム学】より
…それは19世紀中ごろのヨーロッパで,そのころまでに古典学,聖書学,とりわけ歴史学の領域で確立された歴史的文献批判の方法論に基づき,初期イスラムの宗教と歴史を対象に始められた学問で,やがてイスラム教徒の宗教的・歴史的・文化的活動の所産全体に,その対象を広げていった。このような意味でイスラム学建設者の名にふさわしいのは,文献学から歴史学に進み,ユダヤ人としてヨーロッパの大学で初めて東洋学教授の地位を占めたワイルGustav Weil(1808‐89)であった。《ムハンマド伝》(1843)に始まり,《コーランの歴史的・批判的序説》(1844)を経て,《カリフ史》3巻(1846‐51),別冊2巻(1860,62)にいたる彼の一連の業績は,イスラム学誕生の産声となった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」