《政治的正義》(読み)せいじてきせいぎ

世界大百科事典(旧版)内の《政治的正義》の言及

【アナーキズム】より

…そして,大革命の流れの中で,1791年にはみずからアナーキストを名のる一派も現れた。こうした現実の運動を昇華した形でアナーキズムに最初に哲学的表現を与えたのはイギリスのW.ゴドウィンであった(《政治的正義》1793)。彼は正義と幸福の達成を財産および国家の廃絶のうちに求めたが,それはなんら実現の方法論を伴うものでなく,個人としての人間の完成可能性を示すにすぎなかったといえる。…

【ゴドウィン】より

…長じてカルバン派の牧師となったが,フランスの啓蒙哲学に接して信仰に動揺をきたし,1782年,ロンドンに出て牧師を辞め,著作活動にはいった。彼を一躍有名にしたのは,フランス革命に触発されて著した《政治的正義》2巻(1793)で,これが彼の主著となった。この本の中で,彼は,既成の蓄積財産と政府の存在を諸悪の根源として攻撃する一方,富の分配が平等に行われる社会が実現されるなら,そこでは人間の理性が高度な発展を遂げて,あらゆる政治権力は消滅するであろうと論じ,当時の思想界に衝撃を与えた。…

※「《政治的正義》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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