广东

中日辞典 第3版の解説

广东
Guǎngdōng

[名]<地名>広東(カントン)省.▶中国の一級行政区の一つ.華南に位置し,香港特別行政区,マカオ特別行政区に隣接する.

~的省会是广州Guǎngzhōu/広東省の省都は広州(こうしゅう)である.

~话/広東語.広東方言.

◆略称の“粤Yuè”(粤(えつ))は,昔この地が“南粤(越)”国の領地だったことに由来する.“广东”の名称は“广南东路”を縮めたもの.

◆北回帰線が横断する本省は大部分が亜熱帯気候に属する.西江(珠江の本流),北江,東江が集まる広州南方一帯に広大な“珠江三角洲”(珠江デルタ)が形成され,華南最大の農業地帯となっている.農産物では米・サトウキビ・バナナの収量が多い.果物の種類が豊富で,特にバナナ・柑橘類・ライチ・パイナップルは四大果物として有名.

◆工業は家電,電子,紡績,食品,建材,化学などが発達.“广州”“深圳Shēnzhèn”“佛山Fóshān”“珠海Zhūhǎi”“惠州Huìzhōu”“茂名Màomíng”などが主要工業都市となっている.

◆地下資源では,海底油田の開発によって石油や天然ガスを産出する.また鉛・亜鉛・タングステン・硫鉄鉱などが北部の山地で採掘されている.

◆交通では京広(北京—広州)線,京九(北京—九龍)線,広九(広州—九龍)線などの幹線鉄道が走る.また広州と深圳,珠海を結ぶ高速鉄道も開通.広州白雲国際空港は中国三大空港の一つ.広州(黄埔)港は華南最大の貿易港として名高い.

◆1980年代以降,改革・開放の最前線となった.経済特区(深圳・珠海・汕頭)や経済技術開発区(広州・湛江・広州南沙・恵州大亜湾),ハイテク産業開発区(広州・深圳・仏山・恵州・珠海),保税区などが設置され,積極的な外資導入が図られている.

◆広東人は歴史的な移住の経緯の違いから本地人,客家(ハッカ)人,福佬(フーラオ)人(潮州人)の3種に分かれる.客家人は梅州一帯に居住している.

◆本省は世界各地に住む華僑・華人の最大の出身地である.特に東南アジアの華僑・華人には広東省出身者が多く,“广东帮bāng”(広東商人のグループ)と呼ばれる.

◆“广东菜cài”(広東料理)は“粤菜”とも略称される.中華料理の代表的存在である広東料理はさらに広州料理・潮州料理・客家料理の三大流派に分かれる.

◆名所旧跡は広州の光孝寺,六榕寺花塔,仏山の祖廟,肇慶の七星岩,恵州の西湖など.

出典 中日辞典 第3版中日辞典 第3版について 情報 | 凡例

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