中日辞典 第3版の解説
浙江
Zhèjiāng
[名]<地名>浙江(せっこう)省.▶中国の一級行政区の一つ.長江デルタ南部に位置し,華東地区に属する.
~的省会
是杭州 /浙江省の省都は杭州(こうしゅう)である.◆略称は“浙”.省名・略称は,省内最大河川の“钱塘江
”が何度も折れ曲がって流れることから旧称“浙江”(“浙”と“折 ”は同音)と呼ばれたことに由来する.◆春秋時代,この地から越国が起こり,会稽(現在の“绍兴
”)に都した.唐代以来,“宁波 ”(寧波・ニンポー)が貿易港として栄え,明代は日明貿易の拠点となった.南宋から元にかけて,杭州は中国の経済・文化の中心として繁栄を極めた.◆長江デルタの一部である杭州・嘉興・湖州一帯の平野と寧波・紹興一帯の平野は肥沃な農業地帯で,クリークが縦横に走っている.湿潤な気候に恵まれ,米・茶・繭・ミカンなどの収量が多い.
◆海岸線が長く,島の数が多い.漁業が盛んで,舟山群島一帯が中国最大の漁場となっている.
◆鉱物資源は少ないが,港湾条件がよく,上海の後背地となっていることから紡績(絹織物)・機械・化学・食品・建材を中心に工業が発達.主要工業都市は杭州・寧波・紹興・“温州
”・“嘉兴 ”(嘉興(かこう))など.嘉興市海塩県には中国最初の原子力発電所の秦山原発がある.◆特産品は杭州の“龙井茶
”(ロンジン茶),紹興の“绍兴酒 ”(老酒),金華の“火腿 ”(ハム),湖州の“湖笔”“羽毛扇”など.◆名所旧跡は杭州の西湖・六和塔,紹興の魯迅故居,寧波の天童寺,天台山の国清寺,舟山の普陀山など.