中日辞典 第3版の解説
湖北
Húběi
[名]<地名>湖北(こほく)省.▶中国の一級行政区の一つ.長江(揚子江)中流に位置し,中南地区に属する.
~的省会是武汉/湖北の省都は武漢(ぶかん)である.
◆“洞庭湖”(洞庭湖(どうていこ))の北にあるため,“湖北”と名づけられた.略称の“鄂”(鄂(がく))は,かつて武昌(いまの武漢)が“鄂州”と呼ばれたことに由来する.
◆春秋戦国時代,この地に“楚”(楚(そ))が建国.晋代に“荆州”が置かれる.中心都市の“江陵”(いまの荊州)と“襄阳”は「三国志」の英雄たちの活躍の舞台となった.唐代,江陵は中国南方経済の中心地に発展.
◆宋代以降,長江と漢水の合流点に位置する“鄂州”(武昌)がこの地の中心地となる.1949年5月,武昌・漢口・漢陽の三鎮が合併し,武漢市となる.武昌は“辛亥革命”の発祥地としても有名.
◆西部山岳地帯に「華中の屋根」と呼ばれる“神农架”がある.最高峰は“神农顶”(3105m).この一帯は原始林で覆われ,多くの珍しい動植物が生息しており,自然保護区に指定されている.
◆穀倉の“江汉平原”を中心に農業が盛んで,米・コムギ・ナタネ・ゴマ・綿花・葉タバコなどの収量が多い.
◆工業は鉄鋼・自動車・食品・紡績・化学・電力・建材などが発達.大手企業に武漢製鉄所と東風自動車公司(“十堰”)がある.
◆水力発電量は全国第1位.“宜昌”付近の長江本流に葛洲壩(かつしゅうは)ダムと三峡ダムがある.
◆名所旧跡は道教名山の武当山(世界遺産),西陵峡(長江三峡の一つ),武漢の黄鶴楼・帰元寺,襄樊の古隆中(諸葛孔明の隠居地),赤壁古戦場遺跡など.

