湖南

中日辞典 第3版

湖南
Húnán

[名]＜地名＞湖南(こなん)省．▶中国の一級行政区の一つ．長江（揚子江）中流の南側に位置し，中南地区に属する．

～的省会是长沙Chángshā／湖南の省都は長沙(ちょうさ)である．

～菜／湖南料理．

◆“洞庭湖Dòngtíng Hú”（洞庭湖(どうていこ)）の南にあるため，“湖南”と名づけられた．略称の“湘Xiāng”（湘(しょう)）は，省内最大河川の“湘江”に由来する．

◆洞庭湖は中国第二の淡水湖．周辺の洞庭湖平野では明・清両代に開墾奨励策がとられ，「湖広（現在の湖北・湖南）熟すれば天下足る」といわれるほど豊かな米産地となった．

◆中国有数の非鉄金属の産地．主に鉛・亜鉛・アンチモン・タングステン・マンガン・リン鉱石・石炭などを産する．特に“冷水江Lěngshuǐjiāng”の錫(すず)鉱山は世界最大のアンチモンの産地として有名．

◆長江以南の鉄道交通の中心に位置する．南北方向に京広（北京—広州）線と焦柳（焦作—柳州）線が，東西方向に浙贛（杭州—株洲）線，湘桂（衡陽—憑祥）線，湘黔（株洲—貴定）線の各線が走る．“岳阳Yuèyáng”（岳陽）の城陵磯港は唯一の対外貿易港．

◆毛沢東・劉少奇・胡耀邦はじめ中国共産党の指導者を数多く輩出した．毛沢東の故郷“韶山Sháoshān”は革命の聖地となっている．

◆名所旧跡は武陵源（世界遺産），衡山（五岳の一つ），岳陽の岳陽楼，長沙の岳麓書院，馬王堆漢墓など．

出典　中日辞典 第3版