中日辞典 第3版の解説
西藏
Xīzàng
[名]<地名>チベット.チベット自治区.▶中国の一級行政区の一つ.中国西南部に位置し,ネパール・インドなどと国境を接する.
~自治区的首府是拉萨/チベット自治区の区都はラサである.
◆“世界屋脊”(世界の屋根)といわれる“青藏高原”(青海・チベット高原)の中心をなし,海抜は平均4000メートル以上もある.
◆ネパールとの国境地帯にある“珠穆朗玛峰”(チョモランマ=エベレスト山)は海抜8848メートル.
◆現在の区境は近代に入って中国・チベット・インドの力関係の中で決定された.チベット族はウー(ラサを中心とする中央チベット),ツァン(シガツェを中心とする南チベット),カム(チャムドを中心とする東チベット),アムドなどの広大な地域に居住する.中国は現在アムドを青海省とし,カムの東半分を四川省に編入している.
◆「チベット」という名称は現在の自治区中央部をさす古称「トゥボット」に由来する.略称は“藏”.漢語の“藏”はラサ・シガツェを中心とするウー・ツァン地方の音訳“卫藏”に由来する.“西藏”とは,中国の西にあるツァン地方という意味である.
◆“牦牛”(ヤク)は“高原之舟”と呼ばれ,高原・雪原での運搬の中心となっている.その他,ヤギ・綿羊などの牧畜が盛ん.南部のツァンは“青稞”(ハダカムギ)を中心とする農耕地帯である.
◆チベット仏教(ラマ教.“喇嘛教”)の中心地.ラサの“布达拉宫”(ポタラ宮殿,世界遺産)や“大昭寺”(チョカン寺),シガツェの“扎什伦布寺”(タシルンポ寺)などがある.“冈仁波齐峰”(カンリンボチェ峰,別称カイラス山)はチベット仏教の聖地.

