中日辞典 第3版の解説
贵州
Guìzhōu
[名]<地名>貴州(きしゅう)省.▶中国の一級行政区の一つ.中国の西南部に位置する.
~的省会是贵阳
/貴州省の省都は貴陽(きよう)である.◆略称は“贵”または“黔
”(黔(けん)).黔の名は,秦の時代,この地に黔中(けんちゅう)郡が置かれたことによる.◆省人口の約3割を少数民族が占め,“苗
、布依 、侗 、彝 ”などの民族が居住する.◆降雨量が多く,水資源に恵まれている.最大河川の烏江は長江支流の一つ.北盤江は珠江支流の一つであるが,その流域に有名な黄果樹瀑布(幅81m,高さ68m)がある.
◆水銀・石炭・リン鉱石・ボーキサイトなどの鉱物資源を産する.特に“六盘水
”(ろくばんすい)の石炭は有名.◆工業は電力・タバコ・非鉄金属(アルミ)・酒造・化学などが盛ん.中国を代表する銘酒“茅台酒
”(マオタイ酒)の産地として知られる.主要工業都市は“贵阳”“六盘水”など.戦略的後方と位置づけられたため,軍需企業が少なくない.◆農業では菜種,葉タバコ,茶などの収量が多く,林業ではスギ,マツなどを産する.
◆交通では“贵阳”が西南地域における鉄道交通の要衝となっている.川黔(重慶—貴陽)線,黔桂(貴陽—柳州)線,貴昆(貴陽—昆明)線などの幹線鉄道が走る.
◆貴州第二の都市“遵义
”(遵義(じゅんぎ))は,長征途上,中国共産党政治局の拡大会議(遵義会議)が開かれた所として有名.毛沢東の指導的地位が確立され,長征を成功に導いた.