辽宁

中日辞典 第3版の解説

辽宁
Liáoníng

[名]<地名>遼寧(りょうねい)省.▶中国の一級行政区の一つ.東北地区の南部に位置する.

~的省会是沈阳Shěnyáng/遼寧の省都は瀋陽(しんよう)である.

◆略称は“辽”(遼(りょう)).省名は最大河川の“辽河Liáo Hé”に由来する.1929年,“辽河永久安宁”の意をとって奉天省から遼寧省に改称された.

◆東部は“鸭绿江Yālù Jiāng”を挟んで朝鮮民主主義人民共和国と国境を接する.“丹东Dāndōng”は対岸の北朝鮮の新義州と鉄橋でつながっている.

◆清朝発祥の地.明末,女真(満州)族のヌルハチが清朝の前身である後金を建国.都は初め“辽阳Liáoyáng”(遼陽)に,のち瀋陽に置かれた.

◆清の北京遷都に伴い,満州族の大半が華北に移住.代わって山東,河北などから大量の漢族農民が流入した.満州族はいまでも全国の約半数が省東部に住んでいる.

◆1898年遼東半島を租借したロシアが半島南端に港湾都市を建設し,ダーリニーと命名.1904年日露戦争で日本軍が占領し,“大连Dàlián”と改称,以後大陸経営の拠点となった.ロシアが軍港“旅顺Lǚshùn”に築いた要塞の背後にある203高地は日露戦争最大の激戦地.

◆1931年9月,日本の関東軍が瀋陽郊外の“柳条湖Liǔtiáohú”で満鉄線を爆破し,満州事変の発端となった.

◆“辽河平原”を中心に農業が盛ん.トウモロコシ・コメ・ダイズ・テンサイ・リンゴ・ナシ・ブドウ・柞蚕(さくさん)繭などの収量が多い.

◆鉄鉱石・石炭・石油・マグネサイト・非鉄金属などの鉱物資源が豊富.特に“鞍山Ānshān”の鉄鉱石,“阜新”“铁法”の石炭,“辽河”の油田などが有名.

◆中国屈指の重化学工業基地で,冶金・石油化学・機械・電子などが発達.主要工業都市は瀋陽,大連,鞍山,撫順,遼陽,本渓,阜新,盤錦,錦州など.“鞍钢Āngāng”(鞍山製鉄所)は中国最大の鉄鋼コンビナート.

◆鉄道は中国で最も高密度.京瀋(北京—瀋陽)線や哈大(ハルビン—大連)線などの幹線が走る.

出典 中日辞典 第3版中日辞典 第3版について 情報 | 凡例

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