おおなおおな(読み)オオナオオナ

デジタル大辞泉 「おおなおおな」の意味・読み・例文・類語

おおな‐おおな〔おほなおほな〕

[副]
人目をはばからず夢中になるさま。本気になって。ひたすら。
「―言出づることをものうくはもてなすべきぞ」〈・早蕨〉
思慮に欠け軽はずみなさま。うっかり。うかうかと。
民部卿などの、―土器かはらけとり給へるを」〈・少女〉
事の簡単に行われるさま。無造作に。あっさりと。
「―射伏せられぬ」〈かげろふ・中〉
[補説]「おうなおうな(あふなあふな)」と同語であるか別語であるかは未詳語源については、「おおなおおな(おほなおほな)」では「おほおほ」とする説、「あふなあふな」では「合ひな合ひな」、または「あふあふな」とする説などがあり、決定しがたい。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「おおなおおな」の意味・読み・例文・類語

おおな‐おおなおほなおほな

  1. 〘 副詞 〙
  2. 人目も気にしないで本気になって。余念もなくひたすらに。
    1. [初出の実例]「御心につくべき御あそびをし、おほなおほなおぼしいたづく」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  3. 前後の考えもなく、うっかり。思慮もなくうかうかと。
    1. [初出の実例]「事しもありがほに、おほなおほな子どもひきつれてある」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)
  4. 考えを巡らすこともなく簡単に。たやすく。
    1. [初出の実例]「かたきには、右兵衛、源中将なむある。おほなおほな射ふせられぬ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  5. ( 「源氏物語」の「おほなおほな」の解の一説から ) 心をこめて。ねんごろに。精一杯に。〔弄花抄(1510)〕
    1. [初出の実例]「海山の物をつくしておふなおふな御饗(みあへ)奉らむ千座(くら)五百座」(出典志濃夫廼舎歌集(1868)松籟草)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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