デジタル大辞泉
「がっちり」の意味・読み・例文・類語
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がっちり
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 人の
体格や物の構造、
体系、組織などが、強くしっかりしているさまを表わす語。がっしり。
※唐人お吉(1928)〈
十一谷義三郎〉六「なめし皮色の事務机や
卓子(テーブル)、それに、がっちりとした椅子などが」
※鴨長明(1955)〈唐木順三〉四「『玉葉』や『
明月記』や
孝道等の示すがっちりした保守派の壁には到底かなひやうがない」
② 物がしっかりと組み合わさっていて、すきまのないさまを表わす語。
※
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉
二三「唯在
(とあ)る石塊
(いしくれ)に戞然
(ガッチリ)輪を乗り懸けて了ふと、最早前へも横へも動かぬ」
③ 確実にしっかりと行なうさまを表わす語。
※
死霊‐三章(1946‐48)〈
埴谷雄高〉「その眼付だけでひとの気をがっちり掴んでしまうって」
④ (がっちりと握って放さないという意から出た語) けちで抜けめがないさま、如才がないさま、ずうずうしくて押しの強いさま、などを表わす語。やや
非難、
軽蔑の意を含む。〔モダン用語辞典(1930)〕
※
コップ酒(1933)〈
浅見淵〉「了助が
財布を受取って開けて見ると、昨日の電車賃と自動車賃との残りに、
彼女の
腕時計を出す金が這入ってゐる
きりだった。〈略〉『ガッチリしてやがるな』と、思はず了助は苦笑した」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報