デジタル大辞泉
「きりきり」の意味・読み・例文・類語
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きり‐きり
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 物の
きしってまわる音、歯をくいしばる音やさまなどを表わす語。
※
古今六帖(976‐987頃)六「
かりがねの羽風を寒みはたおりめくだまく声のきりきりと鳴く」
※仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下「内より片戸をきりきりと
細目に開け」
② 強く力を入れて巻きつけたり、引きしぼったりするさまを表わす語。
※
太平記(14C後)一二「二人張りに十二束二つ伏せ、きりきりと引きしぼりて」
③ 幾重にも渦を巻いているさま、くるくると回るさまを表わす語。
※宇治拾遺(1221頃)四「橋の下に、まだらなる蛇(くちなは)の、きりきりとしてゐたれば」
④ かいがいしくてきぱきとするさま。ぐずぐずしないで、さっさとするさまを表わす語。
※名語記(1275)六「きりきりとはたらく、きり、如何。キヒレリノ反。キビシキ義也」
⑤ 心がひきしまるさま、また、心に深くしみこむさまを表わす語。
※
葬列(1906)〈
石川啄木〉「近づいたナと思ふと、骨の髄までキリキリと沁む様な、或る
聴取り難き言葉、否、
叫声が嚇と許り自分の
鼓膜を突いた」
⑥ 心がいらだったり、神経質になったりするさまを表わす語。
⑦ 頭、胸、腹などがさしこんで痛むさまを表わす語。
※
御伽草子・福富長者物語(室町末)「おなかの痛む
名残ありて〈略〉ほがみさしつつ、こときりきりと病」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報