さのさ(読み)サノサ

デジタル大辞泉 「さのさ」の意味・読み・例文・類語

さのさ

[感]小唄民謡などに用いられる囃子詞はやしことば
[名]さのさ節」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「さのさ」の意味・読み・例文・類語

さのさ

[1] 〘感動〙 小唄などの句切れにいれるはやしことば。こらさ。
※落語・牛の嫁入(1890)〈三代目三遊亭円遊〉「『お嬢さんは牛の御前へ熱心したから乗り移ったか知ら、ウントサノサ』『ドッコイサノサ』『コラサノサ』」
[2] 〘名〙 「さのさぶし」の略。
※苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉三「手すさびのやうに『さのさ』を月琴で足なみにあはすやうに弾いて行くのだ」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「さのさ」の意味・わかりやすい解説

さのさ

明治の流行歌。作詞・作曲者未詳。一節の最後で「サノサ」と歌うのが曲名のいわれ。明治日本人の悲願であった条約改正が調印されたころ、すなわち1899年(明治32)から歌い出され、またたくまに日本全国を席巻(せっけん)して、10年近くも流行歌の王座を占めた。これ以前に愛唱されていた『法界節』とは異なり、純日本的な哀調を帯びた旋律庶民の心をとらえたものと思われる。替え歌は無数にあり、大半市井人情を折り込んでいるが、なかには国家への忠誠を歌うなど、流行した時代背景が如実にうかがえる。

[倉田喜弘]

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