どうと(読み)ドウト

デジタル大辞泉 「どうと」の意味・読み・例文・類語

どう‐と

[副]《古くは「どうど」とも》
大きく重い物が倒れたり、落ちたりするさま。「巨木どうと倒れる」「馬からどうと落ちる」
病気が重くて床につくさま。
「ぢいさまが―床に着いて」〈滑・浮世風呂・二〉
[類語]どてんどたんどたりどしんすとんずどんずしんずしりどすんどさりどしりどかんばたりばったりすてんずでんずでんどうころりごろりすってんころり

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精選版 日本国語大辞典 「どうと」の意味・読み・例文・類語

どう‐と

〘副〙 (古くは「どうど」とも)
① 大きな重い物が落ちたり倒れたりして強く当たる音、また、物を強く当てる音や、そのさまを表わす語。どうっと。
古本説話集(1130頃か)六五「この鉢に蔵のりて〈略〉飛びて、〈略〉どうと落ちぬ」
※談義本・当世下手談義(1752)五「法師大木のたほるるごとく、どうどふして、正体もなく又高鼾(いびき)
② 重量のあるものを一度にたくさん置いたり積んだりするさまを表わす語。量がおびただしく多くあるさま。どっしりと。でんと。
※虎明本狂言・鼻取相撲(室町末‐近世初)「新座の者をおいてつかはふと思ふが〈略〉せかせかとおこうよりも、一度にどうとおいてつかはふ」
③ 病気が重くなって、起き上がることのできないさまを表わす語。どっと。
滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「ぢいさまがどうど床に着て十死(じひ)一生だはな」
④ 歌舞伎脚本のト書の用語。「どうとなる」の形で用いる。倒れるさまを表わす語。
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)三立「立廻りあって、この内猪熊、竹槍を取って源吾を突く。これにて摚(ドウ)となる」
[補注]中世頃、軍記などでは、「どうど」「ちゃうど」「ひゃうど」のように、「う」で終わる擬声語の次の「と」は、濁って「ど」とよまれている。

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普及版 字通 「どうと」の読み・字形・画数・意味

【堂】どうと

堂と門の間。

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