ころり(読み)コロリ

デジタル大辞泉 「ころり」の意味・読み・例文・類語

ころり[副]

[副]
急に転がったり倒れたりするさま。「さいころころりと転がる」
あっけなく死んだり、負けたりするさま。「かぜをこじらせてころり(と)いってしまった」「殺し文句ころりと参る」
前とすっかり違う状態になるさま。ころっと。「ころりと忘れる」
[類語](1くるりぐるりくるりくるりぐるりぐるりくるっとくるくるぐるぐるくりくりぐりぐりころころごろごろからからがらがらごろりすてんずでんどうとばたりばったりずでんどうすってんころりどてんどたんどたりどしんすとんずどんずしんずしりどすんどさりどしりどかん/(2ぽっくり突然死急逝頓死即死死ぬ亡くなる死する没する果てる眠るめいする逝くたおれる事切れるまか先立つ旅立つ死去死亡死没物故絶命絶息永眠瞑目めいもく逝去長逝永逝他界昇天往生落命横死憤死夭折ようせつ夭逝ようせい息を引き取る冷たくなるえなくなる世を去る帰らぬ人となる不帰の客となる死出の旅亡き数鬼籍に幽明さかいことにする黄泉の客命を落とす人死に物化まかくたばる絶え入る消え入るはかなくなる絶え果てる空しくなる仏になる朽ち果てる失命夭死ようし臨終

ころり[名]

銭百文。駕籠かき仲間の符丁
「道は二里ある駕籠賃―、―は知らぬ」〈浄・博多小女郎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ころり」の意味・読み・例文・類語

ころり

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 小さい物が転がり落ちるさまを表わす語。
※玉塵抄(1563)二七「心に吸あいたと思う時に腹もはらわたもつえやぶれてまんまるになりてひとりころりとおつるぞ」
② 物、または人が転がるさま、横たわるさま、倒れふすさまなどを表わす語。
※虎明本狂言・文蔵(室町末‐近世初)「所からなんぎのあくしょなれば、ゑいやとはぬれば、ころりところび」
③ 急に死ぬさま、たやすく死ぬさまを表わす語。
※俳諧・西鶴五百韻(1679)葛何「小六ころりと死んだあとまで〈西花〉 町衆も不詳についた竹の杖〈西六〉」
④ ことが容易に行なわれるさま、また、ことを容易に行なうさまを表わす語。
※禅鳳雑談(1513頃)上「花月など、すねたる能にて候。ただころりとし候がよく候」
⑤ 前の状態とまるきり変わってしまうさまを表わす語。すっかり。まったく。
※談義本・当世花街談義(1754)二「いかなる頑なる財人も重財をほろぼし、皆ころりと堅気を止(やめ)
⑥ 丸みを帯びてかわいらしいさまを表わす語。
残夢(1939)〈井上友一郎〉二「『何だか厭に嬉しさうだね、気に入った子がゐたの?』『〈略〉一寸ころりとした可愛いのがゐた』」
[2] 〘名〙
① 銭高百文。駕籠舁馬子などの用いた符丁。
浮世草子好色一代女(1686)六「是は弐匁の内八分宿(やど)へとらるるとかや。又当座百(ころり)の女は此内四分とらるるぞかし」
② ⇒コロリ

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世界大百科事典(旧版)内のころりの言及

【コレラ】より

…オランダの医師ポンペが《日本滞在見聞記》に記録しているように,長崎に入港した米艦ミシシッピ号が持ち込んだ。病勢は激甚を極め,九州,四国から大坂,京都,江戸,さらに遠く箱館(函館)にまで及び,多数の死者を出したため,民衆は〈ころり〉と呼んで恐れた。江戸だけでも死者10万余あるいは26万余人を数えたという。…

※「ころり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」