キムチ(その他表記)kimch`i

デジタル大辞泉 「キムチ」の意味・読み・例文・類語

キムチ

《〈朝鮮語〉。漬物の意》朝鮮料理で、塩漬けした大根白菜キュウリなどを唐辛子ニンニク塩辛などをまぜた薬味で漬け込んだもの。

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精選版 日本国語大辞典 「キムチ」の意味・読み・例文・類語

キムチ

  1. 〘 名詞 〙 ( [朝鮮語] gim-ci ) 朝鮮料理で、塩漬けした白菜や大根などにトウガラシ、ニンニク、ニラなどの香辛料を多量に入れた漬け物
    1. [初出の実例]「朝鮮漬物(キムチ)でもかじりながら芋焼酎(いもしょうちゅう)を呑んで」(出典:朝鮮ダリヤ(1951)〈田宮虎彦〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「キムチ」の意味・わかりやすい解説

キムチ
kimch`i

朝鮮料理における漬物の総称。沈菜(チムチェ)ともいう。辛いとされる朝鮮の食べものの代表。食生活にキムチは欠かせないもので,通常食事ではスープとともに必ずつく。野菜類を塩漬し,水をきってトウガラシ,ニンニク,果物,アミやイカ,小魚などの塩辛類の薬味と合わせて漬け込む。文献上キムチがみえるのは13世紀初の李奎報の詩が初めであるが,それ以前より存在したことはまちがいない。キムチにトウガラシが使われるようになったのは17世紀後半からで,これを境にキムチの種類が豊富になった。それまではサンショウショウガ,ニンニク等は用いられたが,おもに塩味だけの単純なものであった。現在キムチと呼ばれるものははなはだ多く数十種に達する。ハクサイ漬のペチュキムチ,ダイコン角切りのカクトゥギ,キュウリのオイキムチ,野菜の丸漬のトンキムチや,水分を味わう水(ムル)キムチなどがよくつくられる。ナス,ダイコン,ニンニク等をしょうゆ漬するチャンアチもキムチの一種といえる。秋の野菜の収穫期には冬に備えてのキムチづくりが町や村で一斉に始まる。キムジャンと呼ばれる朝鮮の年中行事で初冬の風物詩でもある。キムチは野菜の発酵食品で,乳酸菌が多く微生物によってつくられたビタミン類も多い。日本の漬物のように洗ってしぼることはしない。近年ソウルなどではキムチの缶詰が出回り,平壌にはキムチ工場もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キムチ」の意味・わかりやすい解説

キムチ
きむち

朝鮮の漬物の総称で、沈菜(チムチェ)とも書く。辛いとされる朝鮮料理のなかでの代表格で、朝鮮の食生活に欠かせない菜であり、飯にキムチとスープはかならずつけられる。ダイコン、白菜(ペチュ)、青菜(あおな)類を塩漬けにしてから、薬味とあわせて漬け込む。白菜(ペチュ)ギムチを例にとると、四つ割りにした白菜の間に塩をふり、ほぼ一昼夜置いて水洗いしてから水をきり、あわせた薬味を葉の間に擦り込み、壺(つぼ)や甕(かめ)に漬け込む。薬味は、粉唐辛子、おろしにんにく、果物の細切り、ネギ、ニラ、ショウガ、昆布、塩辛などを好みで混ぜ合わせてつくる。漬けるとき落し蓋(ぶた)をして密閉はするが重石(おもし)はしない。キムチにトウガラシが用いられるようになったのは17世紀の後半ごろからで、このころからキムチの作り方が多様になった。それまでは薬味にニンニク、サンショウ、ショウガを用いておもに塩だけの単純なもので、いまでも辛くないキムチは食べられている。キムチの種類はきわめて多く、数十種に達する。おもなものは、白菜(ペチュ)ギムチのほかに、ダイコンの角切りのカットウギ、キュウリのオイギムチ、野菜を丸漬けにしたトンギムチや、水分をも食べる水ギムチなどがよくつくられる。

 秋の野菜の収穫時には、冬に備えてのキムチ作りが各地で一斉に始まる。キムジャンとよばれる朝鮮の年中行事であり、これが終わらないと冬は越せないとされる初冬の風物詩である。冬以外のキムチは浅漬けが多い。水分たっぷりのよく漬かったキムチには、乳酸菌やビタミンも多く、飯とキムチだけという粗食で庶民の健康を支えた食べ物でもある。近年、日本でも朝鮮料理のキムチは普及し商品化されるようになった。

[鄭 大 聲]

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百科事典マイペディア 「キムチ」の意味・わかりやすい解説

キムチ

朝鮮の漬物。ハクサイなどの野菜を塩漬にし,水切りして,トウガラシ,ニンニク,果物や,アミ,イカ,小魚などの塩辛類を加えて漬け込む。密閉するだけで重しはしない。発酵熟成によって独特のうま味が生じる。ビタミンCが豊富であり,乳酸菌による整腸作用もある。キムチの種類は多く,一年を通じて作られるが,とりわけ初冬には,冬に備えて一斉にキムチ作りが行われ,この時期はキムジャンと呼ばれる。
→関連項目キムジャン文化朝鮮料理

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キムチ」の意味・わかりやすい解説

キムチ
kimch'i

朝鮮の漬物の総称。代表的な野菜副食品で,秋に入るとつくりはじめ,2~3月までそれを食べる。春から夏の間は,少しずつ漬けてすぐ食べる。さまざまな種類があり,40~50種に及ぶ。北部では一般に薄味,南部では辛く漬け,日常の食卓に欠かせないもので,宴会にも出される。代表的なものに,丸ごと塩漬けした白菜の間に,にんにく,唐辛子,果物,松の実,魚介類,あみの塩辛などをはさんで陶製の大瓶に漬込んだベチュトンキムチがある。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「キムチ」の解説

キムチ【(朝鮮)】

朝鮮の辛い漬物。野菜を塩漬けにし、さらに多量のとうがらし・塩辛(しおから)・にんにくなどを混ぜて漬け込む。白菜のものが代表的で、一般的にはこれをさすことが多い。

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栄養・生化学辞典 「キムチ」の解説

キムチ

 朝鮮漬けといわれる.野菜の漬け物で,ニンニク,トウガラシ,魚介類などを漬け込む.

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