クリッペ(地学)(読み)くりっぺ(英語表記)klippe

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリッペ(地学)」の意味・わかりやすい解説

クリッペ(地学)
くりっぺ
klippe

地質学上の用語。水平に近い低角度の衝上(しょうじょう)断層によって移動してきた岩体(ナップ)が、侵食作用によって本体から切り離されて孤立した地塊。したがって、新しい岩石からなる山体の上に山頂部にだけ古い岩体がのることになる。

 ヨーロッパアルプスのグラールス衝上断層に伴うものが有名で、日本では関東山地の跡倉(あとくら)ナップや、九州の四万十帯(しまんとたい)の延岡(のべおか)衝上断層に伴うものが知られている。

[吉田鎮男・村田明広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android