サビキン(銹菌)類(読み)サビキンルイ(英語表記)Uredinales; rust fungi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サビキン(銹菌)類」の意味・わかりやすい解説

サビキン(銹菌)類
サビキンルイ
Uredinales; rust fungi

担子菌類半担子菌類に属する目 (サビキン目) で,すべて高等植物 (シダ類以上) につく真正寄生菌である。なかにはその生活環中,2種類の植物に寄生するものもある。コムギのアカサビキンはアキカラマツ,ナシのアカボシビョウキンはビャクシン類,マツノコブビョウキンはコナラ類がそれぞれ第2宿主になっている。生活史上5種の胞子を生じる時代がみられる。ただし種によってはそのいくつかを欠いている。この5種の胞子を生じる時代に0,I,II,III,IVという符号がつけられている。0は柄胞子を生じる柄胞子器をつける。柄胞子は概して微小な細胞である。Iは銹胞子を生じる銹胞子器をつける。銹胞子は単細胞で鎖生し,通常褐色または濃褐色で鉄錆を想起させるので,この名がつけられた。 IIは夏胞子を生じる夏胞子器をつける。夏胞子は単細胞,有柄で単立し,脱落性である。 IIIは冬胞子を生じる冬胞子器をつける。冬胞子は休眠型で2個または数個の細胞から成り,熟後も宿主の組織内にとどまったり,柄によって長くついたままになっている。 IVは有性生殖の時代で担子器を生じ,核の融合に次いで担子胞子が出てくる。この菌類は作物にとっては有害な場合が多い。

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