日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロアナゴ」の意味・わかりやすい解説
シロアナゴ
しろあなご / 白穴子
shiroanago conger
white conger
[学] Ariosoma shiroanago
硬骨魚綱ウナギ目アナゴ科ホンメダマアナゴ亜科に属する海水魚。千葉県以南の太平洋沿岸、山口県以南の日本海沿岸、東シナ海、朝鮮半島の海域などに分布する。体は細長く、後半部で側扁(そくへん)し、尾端はとがる。肛門(こうもん)は体の中央よりも前方に開く。頭は普通大で、全長のおよそ6分の1。吻(ふん)は丸くて、口よりわずかに前方へ突出する。前鼻孔(ぜんびこう)は吻端近くの側面に開き、管状。後鼻孔が目の中央水平線より下方で、吻の前3分の2に位置し、鼻管がない。口が小さく、上顎(じょうがく)の後端は目の後縁下に達しない。上唇の縁辺に上方へ反転した遊離縁がある。下顎先端は上顎先端より後方にあり、口を閉じるとほとんどの前上顎骨歯が露出する。前上顎骨歯は主上顎骨の前部の歯より大きい。主上顎骨歯は小さい円錐歯(えんすいし)の歯帯を形成し、前方の歯は大きい。主上顎骨の歯帯と鋤骨(じょこつ)（頭蓋(とうがい)床の最前端にある骨）の歯帯は前上顎骨歯とつながる。肛門前の側線孔数は55～59。後頭部の中央に感覚孔がある。背びれは胸びれの基底上方よりも前から、臀(しり)びれは肛門の直後から始まり、両者は尾端で尾びれとつながる。背びれと臀びれの鰭条(きじょう)に分節がない。体は淡褐色で、腹部は黄白色。背びれと臀びれの縁辺と尾びれは黒い。全長は40センチメートルに達する。水深30～275メートルにいるが、多くは130～150メートルの砂底や砂泥底にすみ、底引網で漁獲される。練り製品の材料にされる。
［尼岡邦夫 2019年6月18日］
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