スタンケービチ(読み)すたんけーびち(英語表記)Николай Владимирович Станкевич/Nikolay Vladimirovich Stankevich

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタンケービチ」の意味・わかりやすい解説

スタンケービチ
すたんけーびち
Николай Владимирович Станкевич/Nikolay Vladimirovich Stankevich
(1813―1840)

ロシア思想家詩人モスクワ大学学生たちを中心とする哲学・文学サークル、いわゆるスタンケービチ・サークルの指導者として知られる。このサークルには、ベリンスキーバクーニン、コンスタンチン・アクサーコフら、のちに西欧派スラブ派に分裂することになる多くの知識人が集まった。彼は若くして世を去ったが、カントヘーゲルらのドイツ思想の受容に指導的役割を果たし、また同時代人に大きな人格的影響を与えた。主著悲劇『ワシリー・シュイスキー』(1830)。

竹中 浩 2015年12月14日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「スタンケービチ」の意味・わかりやすい解説

スタンケービチ
Nikolai Vladimirovich Stankevich
生没年:1813-40

ロシアの思想家,詩人。1831年以降モスクワ大学の学生を中心に形成された哲学研究グループの指導的人物。参加者にはベリンスキー,バクーニン,K.S.アクサーコフ,カトコフはじめその後のロシアの著名な人物が多い。主として,シェリングをはじめ,カント,フィヒテ,ヘーゲルなどのドイツ古典哲学を研究しながら,ロシアの旧体制を批判する啓蒙主義的思想の形成に貢献した。
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