テキーラ(読み)てきーら(英語表記)tequila

翻訳|tequila

デジタル大辞泉 「テキーラ」の意味・読み・例文・類語

テキーラ(〈スペイン〉tequila)

リュウゼツランの茎をしぼった液を発酵させ、蒸留してつくった無色透明の酒。メキシコ産で、酒精度は40度くらい。テキーラ酒を産したメキシコの地名にちなむ。
(Tequila)メキシコ中西部、ハリスコ州の都市。グアダラハラ北西約55キロメートルに位置する。蒸留酒テキーラの産地。原料となるアガベ畑が広がり、2006年に、近隣のアマティタンやエル‐アレナルにある農園・醸造所・酒場などとともに、「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。
[類語]酒類さけるい酒類しゅるい般若湯アルコール御酒お神酒銘酒美酒原酒地酒忘憂の物醸造酒蒸留酒混成酒合成酒日本酒清酒濁酒どぶろく濁り酒生酒新酒古酒樽酒純米酒灘の生一本本醸造酒吟醸酒大吟醸冷や卸し屠蘇とそ甘露酒卵酒白酒甘酒焼酎泡盛ビール葡萄酒ワインウイスキーブランデーウオツカラムジン焼酎リキュール果実酒梅酒薬酒やくしゅみりん白酒しろざけ紹興酒ラオチューマオタイチューカクテルサワージントニックジンフィーズカイピリーニャマティーニ

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精選版 日本国語大辞典 「テキーラ」の意味・読み・例文・類語

テキーラ

〘名〙 (tequila) (産地の村の名から) メキシコ特産の蒸留酒。リュウゼツランの樹液を、発酵させてできるプルケという酒を蒸留したもの。酒精度四〇度程度の無色透明な酒。
野獣の街(1960)〈大藪春彦〉一「ジンやテキーラ酒をあおりながら」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テキーラ」の意味・わかりやすい解説

テキーラ
てきーら
tequila

メキシコで生産される蒸留酒。テキーラの原料はマグィーとよばれるヒガンバナ科のリュウゼツランで、この茎を室(むろ)の中に山積みし、床の下部から蒸気を直接吹き込む。1日目は24時間蒸気を通し、2日目は65~80℃に保ち、3日目は冷却して室出しする。茎は褐色で、甘くなっている。これを潰砕(かいさい)して、ローラーにかけて汁を集め、殺菌せずにそのまま発酵槽に移し、発酵させる。次に発酵の終わったもろみを単式蒸留機で蒸留し、再留を行い、アルコール分を55%程度にする。これを樫樽(かしたる)に入れて、約4年間熟成させて製品化する。これはゴールドテキーラとよばれ、赤褐色をしている。下級品は樽貯蔵しない。テキーラはアルコール分30~45%、飲むときは岩塩をなめたり、青トウガラシやレモンをかじりながら飲む。またテキーラを飲んでからトウガラシ入りトマトジュースを飲む方法もある。

[原 昌道]

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百科事典マイペディア 「テキーラ」の意味・わかりやすい解説

テキーラ

メキシコ特産の蒸留酒。リュウゼツラン一種の液を発酵,蒸留して造る。一般に無色透明,アルコール分45〜50%。食塩をなめながら飲むのが普通。似たものに,違う種類のリュウゼツランから造るメスカルがある。これは,その植物を食べる芋虫を干して入れるため臭みがあり,黄褐色を帯びる。
→関連項目カクテルグアダラハラマルガリータ

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飲み物がわかる辞典 「テキーラ」の解説

テキーラ【tequila(スペイン)】


メキシコ中部のハリスコ州テキーラ村などに産する、竜舌蘭(りゅうぜつらん)の茎のしぼり汁を発酵させ、発酵液を単式蒸留機で2回以上蒸留してつくる蒸留酒。アルコール度数は35~50度で、40度前後のものが多い。メキシコの国内法で竜舌蘭の品種や産地、製法などが規定されている。竜舌蘭を用いた蒸留酒一般は「メスカル」という。塩をなめながら、ストレートで飲む。カクテルにも用いる。◇「テキーラサンライズ」「マルガリータ」などのカクテルや、アメリカのバンド、チャンプスが1958年に発表した「テキーラ」(チャック・リオ作曲)のヒットなどから一般に広まった。

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デジタル大辞泉プラス 「テキーラ」の解説

テキーラ

アメリカのロックンロール・バンド、ザ・チャンプスの曲。1958年に発表。メキシコの伝統的なマリアッチ音楽を取り込んだインストゥルメンタルのダンス・ナンバー。全米第1位を記録、翌年のグラミー賞で最優秀R&Bレコード賞を受賞。原題《Tequila》。

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栄養・生化学辞典 「テキーラ」の解説

テキーラ

 メキシコの蒸留酒で,特にテキーラ地方で作るもの.リュウゼツラン[Agave tequilana]を原料とする.

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とっさの日本語便利帳 「テキーラ」の解説

テキーラ

龍舌蘭(りゅうぜつらん)を蒸して汁を搾り、発酵させて蒸留したメキシコの特産品。産地も限定されている。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内のテキーラの言及

【蒸留酒】より

…後者によって得られるグレーンウィスキーは香味が軽く,これをモルトウィスキーと調合することによって,現在スコッチの主流となったブレンデッドウィスキーがつくられるようになった。単式蒸留機の蒸留酒は,アルコール以外の揮発成分を多く含み,原料由来の香りを有し,現在ではモルトウィスキー,コニャック,ヘビーラム,ミディアムラム,キルシュ,テキーラ,および泡盛を含む日本の本格焼酎などが,これで蒸留されている。連続式蒸留機の蒸留酒は,アルコールの純度が高まるほど原料の特徴が失われ,酒はソフト化する。…

【多肉植物】より


[利用]
 特異な形をめでて,多くの原種がそのまま観賞栽培されるが,水を使わない生花にも利用できる。リュウゼツラン属のアガベ・シサラナAgave sisalana Perr.からサイザル麻が,アガベ・テキラナA.tequilana Web.からテキーラ酒がとれる。リュウゼツラン属からつくる発酵酒のプルケpulqueは,アステカ族が833年に造り始めたと伝えられる。…

【マゲイ】より

…根からはセッケンや種々の薬がとれ,枯れたものは燃料として役にたつ。なかでも有名なのはマゲイを材料とする酒,テキーラである。テキーラはときにサボテンから作られる酒といわれるが,実際はマゲイの葉をとった茎を発酵させ,蒸留した酒である。…

※「テキーラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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