バラック(英語表記)barrack

翻訳|barrack

精選版 日本国語大辞典 「バラック」の意味・読み・例文・類語

バラック

〘名〙 (barracks)
仮設兵舎。特に駐屯兵のための細長い宿舎
東京日日新聞‐明治一五年(1882)八月四日「同省より韓地仁川へ向け、バラック(仮営舎なり、是は昨今暑気にて天幕にては凌ぎ難(かね)るが故なるべし)と猶二大隊分の兵糧其他の物件を」
② ありあわせの材料を用いて作った粗末な小家屋仮小屋
風俗画報‐二三四号(1901)予防工事の経営画策「更に数棟のバラックを建設し」

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デジタル大辞泉 「バラック」の意味・読み・例文・類語

バラック(barrack)

兵舎。営舎。特に、駐屯兵のための細長い宿舎。
急造の粗末な建物。仮小屋
[類語]小屋あばら屋廃屋廃家襤褸屋ぼろや茅屋陋屋ろうおく

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改訂新版 世界大百科事典 「バラック」の意味・わかりやすい解説

バラック
barrack

本来は兵隊のための宿舎,とくに駐屯兵のための細長い宿舎を意味する。それが転じて,火災地震水害,あるいは戦争などで,家屋が焼けたり破壊されたりした際に,ありあわせの材料を用いて作った一時しのぎのための小屋を指すようになり,さらには,比喩的に粗末な住宅一般をも意味するようになった。このことばが一般化したのは,1923年9月1日に起こった関東大震災で瓦礫(がれき)の山と化した東京の都心に,人々が崩壊家屋の廃材などを組み合わせて建てた粗末な小家屋をバラックと呼ぶようになってからである。なお,第2次世界大戦後,日本の大都市の焼土に建ち並んだ急ごしらえの小屋もまたバラックと呼ばれた。
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