ヘンリー(6世)(読み)へんりー(英語表記)Henry Ⅵ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘンリー(6世)」の意味・わかりやすい解説

ヘンリー(6世)
へんりー
Henry Ⅵ
(1421―1471)

ランカスター朝最後のイギリス王(在位1422~61、70~71)。ヘンリー5世の子。父の死により生後9か月で即位した。このため国政は後見役の大貴族の手に握られ、貴族の間で抗争が激化した。成人した王は32歳のとき精神に異常をきたし、やがて回復したが、国王支援派の指導者サマーセット公の摂政(せっしょう)就任から対立派ヨーク公が決起し、1455年ばら戦争が始まった。60年王はヨーク公に捕らえられ、公が王位継承者となったものの、翌年戦死したためその子エドワードが王位につき、エドワード4世としてヨーク朝を創始した。ヘンリー6世はロンドン塔に幽閉され、70年王位に復したが翌年ふたたび捕らえられ、殺害された。ヘンリーは穏和な性格で教育に熱意を示し、イートン校(1440~41)やケンブリッジ大学キングズ・カレッジ(1441)を創設した。

松垣 裕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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