丁寧(読み)テイネイ

デジタル大辞泉 「丁寧」の意味・読み・例文・類語

てい‐ねい【丁寧/××嚀】

[名・形動]
細かいところまで気を配ること。注意深く入念にすること。また、そのさま。「アイロンを―にかける」「壊れやすいので―に扱う」
言動が礼儀正しく、配慮が行き届いていること。また、そのさま。丁重ていちょう。「―な言葉遣い
文法で、話し手が聞き手に対して敬意を表す言い方。→丁寧語
[派生]ていねいさ[名]
[類語](1念入り入念丹念綿密細心克明周到念を入れる芸が細かい微に入り細を穿うが/(2丁重ていちょう慇懃いんぎんねんご礼儀正しいうやうやしいばか丁寧ご丁寧慎ましい遠慮深い消極的慎ましやかしとやか手重い手厚い親切親身折り目正しい

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精選版 日本国語大辞典 「丁寧」の意味・読み・例文・類語

てい‐ねい【丁寧・叮嚀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 昔、中国の軍中で、警戒の知らせや注意のために用いられた楽器。〔春秋左伝‐宣公四年〕
  3. ( 形動 ) 注意ぶかく念入りであること。こまかいところまで注意がゆきとどいていること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「修理掃除致丁寧之勤、件泉殊被洒掃」(出典明衡往来(11C中か)上本)
    2. 「おとこたちよってていねいに見る」(出典:咄本・聞上手(1773)ちか目)
    3. 「保則は今しも丁寧の書物を為てゐるのである」(出典:錦木(1901)〈柳川春葉〉三)
  4. ( 形動 ) 手厚く親切なこと。ねんごろで礼儀正しいこと。また、そのさま。懇切。慇懃(いんぎん)
    1. [初出の実例]「而当時宰吏輒以収公、雖丁寧之詞、已無子細之答」(出典:明衡往来(11C中か)中末)
    2. 「一旦横風の昔に返った彼の言葉遣が又何時の間にか現在の鄭寧(テイネイ)さに立ち戻って来た」(出典:道草(1915)〈夏目漱石〉四六)
  5. ( 形動 ) なんども繰り返すこと。再三再四行なうこと。また、そのさま。多く、なんども忠告する意に用いられる。
    1. [初出の実例]「顧長康之送遠、思往事而丁寧者也」(出典:本朝文粋(1060頃)八・山晴秋望多詩序〈藤原惟成〉)
    2. 「自ら善し自ら照顧する徳の重んずべき事を丁寧訓告せざるべからず」(出典:自由之理(1872)〈中村正直訳〉四)
    3. [その他の文献]〔詩経箋‐小雅〕
  6. ( 形動 )( 接頭語「ご」を伴って ) 冗長なこと。無駄に多いこと。また、そのさまを皮肉に言うときに用いる。
    1. [初出の実例]「汽車は御丁寧(ごテイネイ)各駅を拾ってゆく」(出典:湯ケ原ゆき(1907)〈国木田独歩〉一)

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普及版 字通 「丁寧」の読み・字形・画数・意味

【丁寧】ていねい

どら。また、ねんごろ。元・倪〔三月一日、松陵より華亭を過(よぎ)る〕詩 竹西の鶯語(あうご)、太(はなは)だ丁 斜日山光澹(あは)し

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