七瀬の祓え（読み）ななせのはらえ

精選版 日本国語大辞典

ななせ【七瀬】 の 祓(はら)え

1. 中古、朝廷で毎月または臨時に行なわれた行事。吉日を選んで、天皇のさまざまなわざわいを負わせた人形(ひとがた)を、七人の勅使に命じて、七か所の河海の岸に持たせて祓えをした。難波・農太・河俣・大島・橘小島・佐久那谷・辛崎でするのを大七瀬(おおななせ)または七瀬といい、耳敏(みみと)川・川合・東滝・松崎・石影・西滝・大井川で行なうのを霊所七瀬、河合（糺川）・一条通・土御門通・近衛通・中御門通・大炊御門通・二条末通でするのを加茂七瀬という。当時の公卿たちも朝廷にならって行ない、鎌倉幕府もこれに準じて行なった。鎌倉のは由比浜・金洗沢・固瀬川・六連・㹨河・杜戸・江島がその場所であった。七瀬のみそぎ。《 季語・夏 》
   1. [初出の実例]「如_レ此事七瀬祓有_二感応_一、則光栄朝臣以下七人許送_二消息_一、以申剋令_レ祓」(出典：権記‐寛弘四年（1007）一一月二〇日)

出典　精選版 日本国語大辞典