乱れる(読み)ミダレル

デジタル大辞泉 「乱れる」の意味・読み・例文・類語

みだ・れる【乱れる/×紊れる】

[動ラ下一][文]みだ・る[ラ下二]
まとまりがなくなる。ばらばらになる。「髪が―・れる」「風に―・れて木の葉が舞う」
本来なら整っているはずのものが崩れる。順序などがめちゃめちゃになる。「列が―・れる」「呼吸が―・れる」「ダイヤが―・れる」
規律けじめなどがなくなる。だらしなくなる。「風紀が―・れる」「生活が―・れる」
心が平静でなくなる。思いまどう。「気持ちが―・れる」
騒乱が起きたりして、平和でなくなる。「国が―・れる」「世が―・れる」
[類語](1)(2崩れるかき乱す乱す崩す狂う破綻/(4動揺波立つぐらつくたゆたう動ずる浮き足立つ揺さぶる揺るがすぐらぐら悩乱惑乱

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精選版 日本国語大辞典 「乱れる」の意味・読み・例文・類語

みだ・れる【乱・紊】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]みだ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 入りまじる。錯綜する。錯乱する。
    1. [初出の実例]「梅の花枝にか散ると見るまでに風に乱(みだれ)て雪そ降り来る」(出典万葉集(8C後)八・一六四七)
  3. ばらばらになる。散乱する。
    1. [初出の実例]「愛(うるは)しと さ寝しさ寝てば 刈薦(かりこも)の 美陀礼(ミダレ)ば美陀礼(ミダレ) さ寝しさ寝てば」(出典:古事記(712)下・歌謡)
  4. 秩序だったものが混乱する。だらしなくなる。
    1. [初出の実例]「人各任(よさし)有り。掌ること濫(ミタレ)ざる 冝し」(出典:日本書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓))
  5. (態度・服装などが)格式ばらない。くつろぐ。
    1. [初出の実例]「内裏(うち)わたりなどのやんごとなきも、けふはみなみだれてかしこまりなし」(出典:枕草子(10C終)三)
  6. 平静でなくなる。正体を失う。動揺する。
    1. [初出の実例]「瞋恚の纏に擾乱せられ、懵ひ憒(ミタレ)て自心を渾濁す」(出典:石山寺本瑜伽師地論平安初期点(850頃)六八)
  7. ( 「心が乱れる」「思いが乱れる」の意で ) あれこれと思いわずらう。
    1. [初出の実例]「伊豆の海に立つ白波のありつつもつぎなむものを美太礼(ミダレ)しめめや」(出典:万葉集(8C後)一四・三三六〇)
  8. ( 「色に乱れる」「女色に乱れる」の意で ) 女色に迷う。好色心にまどう。
    1. [初出の実例]「さかしき人も女のすぢにはみだるるためしあるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)
  9. ( 「国が乱れる」「世が乱れる」の意で ) 騒乱が起こる。平和でなくなる。
    1. [初出の実例]「みだれむ世をも見候べき」(出典:平家物語(13C前)二)
  10. 組成が崩壊する。腐る。
    1. [初出の実例]「膿(う)み爛(ミタレ)き、虫蛆(むし)となり楽しむべからず」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)五)
  11. 身をやつして乞食、非人となる。
    1. [初出の実例]「いや旦那のおっしゃる通り、大概乱れかかってをりますわい」(出典:浄瑠璃・伊賀越道中双六(1783)六)

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デジタル大辞泉プラス 「乱れる」の解説

乱れる

①1964年公開の日本映画。監督:成瀬巳喜男脚本:松山善三、撮影:安本淳。出演:三益愛子高峰秀子加山雄三草笛光子、白川由美、坂部紀子、柳谷寛ほか。
②東海テレビ制作、フジテレビ系列放映による日本の昼帯ドラマ。1965年11月~1966年1月放映(全65回)。①のテレビドラマ化。出演:南田洋子、中山仁、吉川満子ほか。
③TBS系列放映による日本の昼帯ドラマ。花王愛の劇場。①の2度目のテレビドラマ化作品。1977年3~5月放映(全45回)。出演:武原英子、速水亮、横内正ほか。

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