仮声帯発声(読み)かせいたいはっせい(その他表記)Dysphonia Plicae Ventricularis

家庭医学館 「仮声帯発声」の解説

かせいたいはっせい【仮声帯発声 Dysphonia Plicae Ventricularis】

[どんな病気か]
 声帯上部に、声帯と形態の似た、仮声帯と呼ばれる粘膜(ねんまく)のひだがあり、これは正常の発声には関与していません。
 仮声帯が病的に振動してしまうために生じた音声障害(嗄声(させい)=しわがれ声)を仮声帯発声といい、正常な声帯の振動が妨げられて嗄声が生じます。
 間接喉頭鏡(かんせつこうとうきょう)か喉頭内視鏡の検査を行ないながら発声させることで、容易に診断できます。
[原因]
 仮声帯が内転しすぎたり、慢性炎症で仮声帯粘膜の肥厚ひこう)がおこり、内方に突出したりして、発声時に振動してしまうことによって生じます。
 機能性の仮声帯発声は、精神的な問題(心因)が関与するとも考えられています。
[治療]
 心因性の場合は、精神療法または精神安定剤の内服が行なわれます。
 慢性炎症による粘膜の肥厚による場合は、抗炎症治療が行なわれます。
 抗炎症治療に反応しない場合は、喉頭顕微鏡下レーザー手術で、肥厚している仮声帯粘膜を蒸散(除去すること)させます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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