何時か(読み)イツカ

デジタル大辞泉 「何時か」の意味・読み・例文・類語

いつ‐か【何時か】

[副]
未来不定の時を表す。そのうちに。「何時かお会いしたい」「あの国には何時か行ってみたい」
過去の不定の時を表す。いつぞや。以前。「何時か来た道」「何時か読んだ本」
時がたつのに気がつかないさま。いつのまにか。「何時か日が暮れていた」
過去・未来の事柄について、それがいつであったかという疑問、または反語の意を表す。いつ…したであろうか。
「―若やかなる人など、さはしたりし」〈・二八〉
[類語](1そのうちいずれ今にやがて遅かれ早かれ遠からず早晩近日ちかぢか追って他日後日不日又の日近くじきすぐ直ちに早速じきすぐにすぐさま直接もう間もなく程なく追い追い追っ付けきた日ならずして上げずぼちぼち今にもそろそろ近近きんきん行く行く目前秒読みカウントダウン追っ掛け時間の問題ややあって今日明日すかさず間を置く時を移さずこの先日ならず/(2前に・ある時・いつぞや過去以前かつ在りし日往年往時往日旧時昔日せきじつ昔時せきじ昔年せきねん往昔おうせき往古古昔こせきいにしえ古くそのかみ当時前前かねてかねがね既往これまで従来従前し方先年当年一時一頃その節先に古来あらかじめ前以て年来旧来在来その昔太古千古大昔

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「何時か」の意味・読み・例文・類語

いつ‐か【何時か】

  1. 〘 副詞 〙 ( 代名詞「いつ」に助詞「か」の付いてできた語 )
  2. 未来および過去の事がらに関して、それがどの時点であるかはっきりしないことを表わす。また、反語を表わす場合もある。いつ…した(…する)であろうか(いや、そんなことはない)。
    1. [初出の実例]「ま遠くの雲居に見ゆる妹が家(へ)に伊都可(イツカ)到らむ歩め吾(あ)が駒」(出典:万葉集(8C後)一四・三四四一)
    2. 「いつかさる者候ひつる」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一〇)
  3. 物事の変化の起こる、または、起こった時の不明なことを表わす。気がつかないうちに。いつのまに。いつしか。
    1. [初出の実例]「塩釜にいつか来にけむ朝なぎに釣する舟はここに寄らなむ」(出典:伊勢物語(10C前)八一)
  4. 未来の不定な時を表わす。遅かれ早かれ。いずれそのうち。早晩。〔観智院本名義抄(1241)〕
    1. [初出の実例]「うつを限の秋ごろも、恨みをいつか晴らさむ」(出典:車屋本謡曲・元服曾我(室町中))
    2. 「その夢は早晩(イツカ)醒むべし」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉歌女)
  5. ( 「いつかも」「いつかの」などの形でも用いられる ) 過去の不定な時を表わす。どういう時点であったか。いつぞや。
    1. [初出の実例]「過日(イツカ)も路に八百屋の荷が転覆(ひっくりかへ)りて」(出典:門三味線(1895)〈斎藤緑雨〉)
    2. 「だって、主税さん、先年(イツカ)私の誕生日に」(出典:婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)

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