デジタル大辞泉
「一時」の意味・読み・例文・類語
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いち‐じ【一時】
〘名〙
① 少しの間。暫時。ひととき。いっし。
※本朝無題詩(1162‐64頃)八・秋日長楽寺即事〈
藤原敦光〉「雲色泉声尋
二洛東
一。一時賞翫感相通」
※
太平記(14C後)九「諸卒心を一にして、一時
(イチジ)が間に責め落とす可し」 〔
荀子‐
正名〕
② その時だけ。かりそめ。
※性霊集‐序(835頃)「前御史大夫泉州別駕馬摠一時大才也」 〔後漢書‐班超梁瑾伝論〕
⑥ 時刻の
名称の一つ。午前と午後とある。明治初期には「第」をつけ、「時」ではなく「字」を用いることが多かった。また、一時間をいう場合もある。
※
公議所日誌‐六・明治二年(1869)
四月「第十二字より第一号改正議案の
可否を決し、第一字より里数改定の
評論を、且読み且論じ、〈略〉第四字一同退散せり」
※航西日乗(1881‐84)〈
成島柳北〉二月一日「午後一時米人カッセイ氏及び同寓三子と共にカタコンブ(即ち地下の旧墓地)を観る」
いっ‐とき【一時】
〘名〙
※
平家(13C前)一二「よりあひよりのき一時
(トキ)(高良本ルビ)ばかりぞたたかふたる」
② 短い時間。ちょっとの間。暫時。
※玉塵抄(1563)九「
朝廷になうては一ときもかなうまい人と云たぞ」
③ (「に」を伴って、副詞的に用いる) 同時。いちじ。
※
滑稽本・八笑人(1820‐49)四「と、いふをきっかけに、皆一時
(イットキ)に〈略〉手当り次第にたたきたってはやす」
ひと‐とき【一時】
〘名〙
① しばらくの間。ほんのわずかの間。暫時。瞬時。いっとき。
※古今(905‐914)雑体・一〇一六「秋の野になまめき立てるをみなへしあなかしがまし花もひと時〈遍昭〉」
② あるとき。そのとき。
※源氏(1001‐14頃)松風「天に生まるる人の、あやしき三つの道に帰るらむ一時に思なずらへてけふながく別れたてまつりぬ」
③ 昔の時間区分で、一日の十二分の一。今の約二時間。いっとき。
いっ‐し【一時】
〘名〙 ごく短い時間。わずかの間。たちまち。いちじ。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「メイヨウ ヲチヤスシ、アキ ixxi(イッシ)」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「一時」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報