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ものの外観がどんなに変わっても、付加や削除がなされない限り、それの数量には変わりないとみなす認識。J・ピアジェによれば、保存の認識は、子供の思考が論理操作の構造を獲得したときに成立するのであって、その発達過程は三つの段階をたどる、としている。すなわち第一段階は、知覚的な外観だけに頼る非保存の時期、第二段階は、外観が多少変化した程度なら、保存を認めるものの、著しく変化してしまえば非保存に戻ってしまう時期、そして第三段階は、外観に惑わされることなく、必然性の意識をもって保存を確信する時期である。ただし保存性は一挙に成立するのではなく、内容に応じて保存の出現の時期が異なる。たとえば量の中身(物質量)の保存は7、8歳ごろ、重さの保存は9、10歳ごろ、体積の保存は11、2歳ごろに認識される。こういう年齢的ずれの現象は「水平的デカラージュ」とよばれている。
[滝沢武久]
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