デジタル大辞泉
「助」の意味・読み・例文・類語
すけ【助】
[名]
1 助けること。手伝うこと。また、その人。
「貴様だったろう、爺の―をして遣ったのは」〈木下尚江・良人の自白〉
2 芝居・演芸などで、応援出演する人。また、ある人の代わりに出演する人。代演。
3 歌舞伎台本を合作するとき、立作者を補助する立場の作者。
4 他人の杯の酒を当人に代わって飲むこと。また、その人。
「間をいたせ、お―を仕れと仰せつけられ」〈浮・禁短気・六〉
5 《婦女子をいう盗人などの隠語「なごすけ」の略》俗に、若い女性のこと。
[接尾]
1 事物の特徴などをとってそれに添え、人の呼称として用いる。「飲み助」「ねぼ助」
2 受け答えなどの言葉の終わりを省略し、代わりに軽くふざけた気持ちで擬人化して添える。「合点承知の助」
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すけ【助】
[1] 〘名〙 (動詞「すける(助)」の連用形の名詞化)
① 助けること。たすけ。手伝い。援助。
加勢。また、その人。助手。すけて。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九「此の時に薬の資(スケ)無きときには必病苦を生ず」
※
源氏(1001‐14頃)乙女「すけなくて、身貧しくなむありけるを」
④
資本。もとで。〔日本一鑑窮河話海(1565‐66頃)〕
⑤ 物を置く場合など、ぐらつかないよう下に敷き、また、支えること。また、そのもの。
※玉塵抄(1563)一一「ころぶ者をすけをかうてたもったことぞ」
※
滑稽本・串戯二日酔(1811)下「まはりのかみゆひ、
スケの男をひとりつれていそがしそふに」
⑦ 他人の杯の酒を代わって飲むこと。また、その人。
※浮世草子・
傾城禁短気(1711)六「おすけを仕れと仰付られ、厭はならず度度盃重なりて」
※
役者論語(1776)佐渡島日記「他国めぐりの芝居の
笛吹、又は何かの助
(ス)けなどに頼まれ行」
※いろは交友録(1953)〈徳川夢声〉し「私にしてもスケ(補助出演)をヌクくらいは、当り前だと思ってる」
※評判記・
長崎土産(1681)四「一つの疵有。今年十五にて大のすけ也」
⑩ 子どもを負う帯。繦(すき)。
⑪ (「なごすけ」の略) 女、娘をいう、不良仲間の隠語。〔隠語全集(1952)〕
[2] 〘接尾〙 ある語に添えて人名化した語を作る。
す・ける【助】
〘他カ下一〙 す・く 〘他カ下二〙
① たすける。手伝う。手をかす。
※
古事記(712)中・
歌謡「木の間よも い行き目守
(まも)らひ 戦へば 我はや飢
(ゑ)ぬ 島つ鳥
鵜飼が伴
(とも) 今
須気(スケ)に来ね」
※
歌舞伎年代記(1811‐15)八「どふぞ貴さま太義ながら来年一っぱい又役者になって。助
(スケ)ては呉
(くれ)まいか」
※
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉二「自分は只
(ただ)、それを助
(ス)けるだけでいいのだといふやうな話をした」
② 酒の席で、さされた杯の酒を飲めないでいる人の杯を手伝って飲む。杯のあいをする。中飲(なかのみ)をする。
※酌之次第(1592)「中のみと云事〈略〉はじめ一つきこしめし候て、二つめをすけ参らせ候也」
③ 費用の一部を負担する。
※滑稽本・古朽木(1780)三「表向の払十両程を親仁にすけさせ、跡五十両さっぱりと払を済し」
④ 物が傾いたり、倒れたりしないように下敷を置く。物を支えるために何か下に置く。
※日葡辞書(1603‐04)「ハンダイノ ヒクイ カタニ イタヲ suqei(スケイ)〈訳〉食卓の低い方の下に板を入れよ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報