デジタル大辞泉
「十字石」の意味・読み・例文・類語
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十字石
じゅうじせき
staurolite
泥質岩起源の結晶片岩や片麻(へんま)岩中に、鉄礬(てつばん)ざくろ石、紅柱石、藍晶(らんしょう)石、珪線(けいせん)石などと産する鉱物。柱状の結晶をなすことが多く、しばしば直交(約90度)あるいは斜交(約60度)する貫入双晶をして十字形になることからこの名がある。日本では富山県宇奈月(うなづき)地方の雲母(うんも)片岩中に大きな結晶が多産する。また、火山岩の捕獲結晶としても産する。
[松原 聰]
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十字石 (じゅうじせき)
staurolite
広域変成作用により生成する鉱物の一種。(Fe2⁺,Mg)4Al18Si8O46(OH)2の化学組成をもち,単斜(偽斜方)晶系に属する柱状結晶を示す。十字形の双晶を示すことが多く,その名の由来となる。暗褐~黄褐色を示すが薄片では無色~黄金色の多色性を示す。比重3.7~3.8,モース硬度7.5。泥岩などが中程度の広域変成作用を受けた場合に晶出し,クロリトイド,ラン晶石などと共生する。十字石はさらに絹雲母,緑泥石などに変質する場合が見られる。
執筆者:湊 秀雄
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十字石
ジュウジセキ
staurolite
Fe(OH)2・2Al2SiO5.鉄のアルミノケイ酸塩鉱物.変成岩中に産出する.単斜晶系,擬斜方晶系.空間群 C 2/m,格子定数 a0 = 0.783,b0 = 1.650,c0 = 0.555 nm.β ≅ 90°.硬度7~7.5.密度3.65~3.77 g cm-3.十字形の双晶を示すことがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
十字石【じゅうじせき】
結晶片岩,片麻岩などの広域変成岩中に多く産出する鉱物。赤褐〜黄褐色,透明〜半透明,ガラス光沢または樹脂光沢を示し,単斜晶系で,結晶は短柱状,ふつう十字形の貫入双晶を示す。比重3.6〜3.8,硬度7〜7.5,へき開明瞭。光学的2軸性で,薄片では無色,黄金色,淡黄色の多色性を示す。組成はたいへん変化が多く,Fe2Al9O6(SiO4)4(O,OH)2など。
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十字石
じゅうじせき
staurolite
FeAl4O2(SiO4)2(OH)2 。単斜晶系の鉱物。比重 3.65~3.77,硬度7~7.5。十字 (ギリシア語で stauros) 形の双晶が普通にみられるので,この名がある。広域変成帯中に産出し,変成作用の指標になる。
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