岡山県境に近い
一般に流域の地形はグリーンタフ造山活動期の前後に整えられたとされ、鳥取平野は第四紀更新世に古鳥取湾が埋立てられ沖積海岸平野となったとされる。現在幹川に合流する各支川は古鳥取湾へ個別に流入していた単独河川で、各流域から湾内へ土砂を搬入して鳥取平野を造成したとみられ、一方湾内を日本海から遮蔽する湖山・鳥取両砂丘は後期洪積世のリス・ウルム間氷期に形成されたとみられる。千代川水系の縄文海進期以降の地形は人為的な変形があったものの、古代からほぼ変わらず近代に至ったものと思われる。
川名は戦国時代末期から江戸時代初期には「仙大川」とも書かれた(寛永二一年「山県長茂覚書」吉川家文書)。疑問はあるものの「陰徳太平記」には「千谷川」と記され、地元民が「せむだい」とよんだことから「千代」の字があてられるようになったともされる(因幡志)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
鳥取県東部を北流する川。岡山・兵庫両県境に近い沖ノ山に源流部があり,中流部で八東川,佐治川を合わせ,下流部で袋川,野坂川などと合流し,鳥取市の賀露(かろ)で日本海に注ぐ。70におよぶ支流は樹枝状の水系を形成し,鳥取県面積の1/3以上の流域を有する。幹川流路延長52km,全流域面積1190km2。流域の大半が山地で,智頭(ちず)川,八東川流域は森林に恵まれ,西日本有数の林業地帯を形成する。中流部には国中(くになか)平野,下流部には鳥取平野がひろがる。河口の賀露付近には,左岸に湖山(こやま)砂丘,右岸に浜坂砂丘(いずれも鳥取砂丘の一部)が形成されている。千代川は過去1200年間に200回以上の洪水の記録があり,近世の250年間の記録は100回以上で,洪水の多い河川であった。近世以後の鳥取藩の治水工事,明治期以後の河川改修により,最近は大きな洪水災害はない。1992年,河口部の付け替え工事とその後の改修工事はほぼ完成した。
執筆者:豊島 吉則
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…人口14万6330(1995)。市域は千代(せんだい)川下流部の鳥取平野と周辺の山地からなり,県の政治,経済,文化の中心的役割を果たしている。千代川東岸の低湿な三角州に位置する中心市街地は,近世には池田氏の城下町で,袋川下流部の河道を付け替え,池沼などを埋め立てて形成された。…
※「千代川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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