デジタル大辞泉
「半ば」の意味・読み・例文・類語
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なか‐ば【半ば】
[1] 〘名〙
① 半分に分けたものの一方。半分。
※
書紀(720)雄略一四年四月(前田本訓)「天皇有司
(つかさ)に命
(みことおほ)せて二
(つ)に
子孫を分
(わか)ちて一分
(ナカハ)をば大草香部の民として
皇后に封
(よさ)したまふ」
(イ) 一定の長さ、または範囲の中間、中央の
地点をいう。
※石山寺本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「崖に至る半(ナカハ)、人有りて接(とら)ふるに似たり」
(ロ) 一定の時間の中間。暦、季節、生涯など、ある時間の中間の時点をいう。
(ハ) ある状態が始まってから、終わると予想されるまでの中間の状態をいう。そのことが盛んに行なわれている頃。まっ最中。中途。
※
太平記(14C後)八「一条の手尚相支へて、戦半
(ナカバ)也と聞えしかば」
③ 不和であること。対立している状態。
※
醍醐寺文書‐(年未詳)五月一〇日・某書状「御おやこなかはふしふしのやう御入候へは、
わか身せうしにて候」
[2] 〘副〙
① 半分ほど、そういう状態であるさま。「なかば…なかば…」と二つの状態を対比して用いることが多い。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「ソノ コトヲ キイテ nacaba(ナカバ) ヲソレ nacaba(ナカバ) アキレテ」
② (「半分ほど」の意が強調されて) ある状態が進んで、大方そうなるさま。ほとんど。だいぶ。よほど。
※
古今(905‐914)物名・四五二「さ夜ふけてなかばたけゆく
久方の月吹き返せ秋の山風〈景式王〉」
③ 事態・状態がまだ半分程度にしかなっていないさま。まだ進んでいない状態としていう。いくぶん。いくらか。
※
源氏(1001‐14頃)明石「むつごとを語りあはせむ人もがなうき世の夢もなかはさむやと」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報