取入(読み)とりいれる

精選版 日本国語大辞典 「取入」の意味・読み・例文・類語

とり‐い・れる【取入】

〘他ラ下一〙 とりい・る 〘他ラ下二〙
① とって内へ入れる。受け取る。
※竹取(9C末‐10C初)「家の門にもていたりて立てり。竹取出で来てとりいれて、かぐや姫に見す」
② 中におさめる。とりこむ。
※能因本枕(10C終)九一「くだ物、ひろきもちひなどを、物にとり入てとらせたるに」
③ 物の怪(け)が人の心身を自分の方へ引き入れ、自分の思うままにその人を悩ませる。
※小右記‐長保元年(999)一一月一日「宮重悩給由忽有其告、仍馳参、巳剋許被取入給」
文化技術方法意見などを受け入れる。採用する。採択する。修得する。
翁問答(1650)下「正真のがくもんは〈略〉おほくしてよくとり入ほど、心だて行義よくなりゆけり」
農作物を刈りおさめる。収穫する。

とり‐い・る【取入】

[1] 〘自ラ五(四)〙
① 選びだしてその事に関係する。かかわる。中に入りこむ。
※今鏡(1170)六「公事などは職者におはせしかど、世のまめなる事はとりいられぬ御心にや」
② 人の気に入ろうとしてへつらう。愛顧を得ようとしてこびへつらう。
源平盛衰記(14C前)二六「法性寺殿の御推挙にて、太政入道に取入(トリイリ)
③ 物の怪(け)が人に取りつく。
平家(13C前)三「こはき御物気共、取いり奉る」
[2] 〘他ラ下二〙 ⇒とりいれる(取入)

とり‐いれ【取入】

〘名〙
① 中におさめること。とりこむこと。
② 文化、技術、方法、意見などを受け入れること。修得すること。
※翁問答(1650)下「うはのそらにすこしまなびてとり入なければ用にたちがたし」
③ 農作物を刈りおさめること。収穫。また、事の成果などにもいう。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九「これを慈善の事に用ひなば、その一生の間多く果実を生ずべく、その死時は、収成(〈注〉トリイレ)の秋となるべし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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