古風(読み)コフウ

デジタル大辞泉 「古風」の意味・読み・例文・類語

こ‐ふう【古風】

[名・形動]
古い習慣や流儀昔風考え方や、やり方。また、そのさま。「古風しきたり」「古風な考え」「古風女性
古体漢詩古詩
俳諧で、談林派自己作風当風と称したのに対して、貞門俳風をいう。
[派生]こふうさ[名]
[類語]昔風古い時代遅れ流行遅れ旧式陳腐旧弊前近代的旧態依然中古オールドファッション昔ながら古式弊害宿弊通弊語弊積弊流弊時代錯誤アナクロアナクロニズム固陋ころう頑愚頑迷気質かたぎ時弊余弊古めかしい古臭いかび臭い古びる古ぼけるださい年代物古色古色蒼然蒼然旧態使い古し陳套ちんとう旧套きゅうとうひねひね臭い時代掛かる時代めく蒼古年季が入るレトロアウトオブデートオールドタイマー

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精選版 日本国語大辞典 「古風」の意味・読み・例文・類語

こ‐ふう【古風】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 昔風の考え方ややり方。規範とすべき古い時代の様子。昔の風俗や風習。また、そのように時代がかっているさま。ふるめかしいさま。いにしえぶり。
    1. [初出の実例]「相揖出了、是所謂壁中揖也、近代絶了歟、雖然今日之儀已存古風、仍所行也」(出典:中右記‐寛治八年(1094)一〇月一〇日)
    2. 「多くの人々の氏に関する追憶は、ことごとく氏が一面古風な人情家であったことを伝へてゐる」(出典:敗北の文学(1929)〈宮本顕治〉五)
    3. [その他の文献]〔新唐書‐王仲舒伝〕
  3. 和歌で、「万葉集」あるいはそれと同時代の歌。また、そういう歌風。
    1. [初出の実例]「難波津古風一篇事。右拝見之処、花山僧正之長此道」(出典明衡往来(11C中か)上本)
  4. 俳諧で、松永貞徳の流派の俳風をいう。談林派が自己の作風を当風と称したところからいわれた語。
    1. [初出の実例]「むかしは鱸(すずき)、今はふぐ、古風は鱸魚(ろぎょ)を愛して河豚をしらず」(出典:俳諧・田舎の句合(1680)二三番)

ふる‐かぜ【古風】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「古風(こふう)」の訓読み ) 昔のふう。こふう。
  3. 昔のままの風。昔なじみの風。
    1. [初出の実例]「古風やまつの梢にかへるらん月は明石のうらぞすずしき」(出典:広本拾玉集(1346)四)

ふるき【古】 風(かぜ)

  1. ( 「古風(こふう)」の訓読み ) 昔のふう。こふう。
    1. [初出の実例]「ふるきかせ松の梢にふかずともこの世みだすな住吉の神」(出典:広本拾玉集(1346)二)

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普及版 字通 「古風」の読み・字形・画数・意味

【古風】こふう

古ぶり。また、古詩の風調。金・元好問〔論詩、三十首、二十七〕詩 百年纔(わづ)かに覺ゆ、古風の回(めぐ)るを 元(北宋)の人、第に來(きた)る 金陵を學ぶを(い)むは、るも (つひ)に何を將(もつ)てか歐(陽脩)・(尭臣)を廢する

字通「古」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の古風の言及

【貞門俳諧】より

…江戸前期の俳諧流派,またその俳風。談林(だんりん)の新風・異風に対して古風・正風ともいう。〈貞門〉とは松永貞徳(ていとく)の俳門の意。…

【李白】より

…いわゆる〈盛唐の気象〉を最もよく体現した詩人であり,この点は並称される杜甫のもつ沈鬱な内向性と対照的である。六朝の詩風,ことに斉梁の技巧的で繊細優美な詩風を嫌い,《詩経》の精神を受け継ぎながら,漢・魏の剛健で風骨のある詩風を復活させることを目ざしたが,その主張を高らかに宣言したのが〈古風〉59首の連作である。しかし反面では六朝の詩人たち,なかでも謝朓(しやちよう)から深く学んでいることも事実である。…

※「古風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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