呼応(読み)コオウ

デジタル大辞泉 「呼応」の意味・読み・例文・類語

こ‐おう【呼応】

[名](スル)
一方が呼びかけ、または話しかけ、相手がそれに答えること。互いに呼びかわすこと。受け答え。「一頭の犬の遠吠え呼応して多くの犬が吠える」
互いに気脈を通じて物事を行うこと。示し合わせること。「陸と空から呼応して遭難者救出に当たる」
文中で、ある語とあとに来る語とが特定の関係を示すこと。いわゆる係り結びほか否定仮定疑問の呼応など。
[類語]以心伝心意気投合合意コンセンサス息が合う反りが合う反り馬が合う気が合う肌が合う琴瑟きんしつ相和す打てば響くつうかあ応える共鳴同感共感拈華微笑ねんげみしょう心を合わせる心を一にする心を通わす心が通う気が置けない胸襟を開く腹を割る心を開く心を許す気を許す肝胆相照らす心を交わす心を以て心に伝う

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精選版 日本国語大辞典 「呼応」の意味・読み・例文・類語

こ‐おう【呼応】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一方のものが呼び、または話しかけ、相手がそれに答えること。受け答え。
    1. [初出の実例]「客に接し席を掌り呼応に供し酒肉を出だす」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉二)
  3. 互いに気ごころが通じあうこと。または、互いに示し合わせて、相応じて物事を行なうこと。→相呼応(あいこおう)
    1. [初出の実例]「遙か後世の袁子才の性霊説に触発された新詩の運動と呼応している」(出典:雲のゆき来(1965)〈中村真一郎〉三)
  4. 文中で、ある語句に対して一定の語句が他の語句を隔てて規則的に現われ、一定の意味をもつこと。副詞「たとい」に対して仮定を示す語句が伴う場合など。文法で、上下の語句が一定の語法で関係しあうこと。〔広日本文典(1897)〕

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普及版 字通 「呼応」の読み・字形・画数・意味

【呼応】こおう

たがいによびあう。〔揚州画舫録、橋東録〕座をてて目語するり。舟をてて相ひ呼應するり。

字通「呼」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「呼応」の意味・わかりやすい解説

呼応
こおう

文法用語。 (1) agreement; concord 統辞論的関係に立つ2つ以上の単語文法範疇において対応する形をとること。一致ともいう。英語のA dog is barking. Dogs are barking.では,主述関係にある名詞動詞が数のうえで呼応している。ドイツ語の ein schwarzer Hund (黒犬) と eine schwarze Katze (黒猫) では,冠詞・形容詞・名詞がのうえで呼応している。 (2) 日本語文法で,ある種の副詞や助詞が,意味的に特定の表現を要求すること。たとえば,決シテが否定表現を,オソラクが推量の表現を要求するなど。この類の副詞は陳述副詞と呼ばれる。

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