出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
四色(よんしよく)問題ともいう。平面上または球面上に描かれた地図の国を色分けすることを考える。ここに,どの国も飛地をもたずつながっているものとし,また海も一つの国とみなすものとする。もちろん相隣る国には異なる色を使うが,2国の境が有限個の点である場合は同じ色を塗ってもよいとする。このようにするとき,〈平面上または球面上に描かれたどんな地図も4色だけで塗り分けできるであろう〉というのが四色問題である。3色以下では塗り分けられないような地図は容易に作れるし,実際にやってみると,国の数を多くしても,また国の配置を複雑にしても4色で足り,5色以上が必要となる地図がなかなか作れない。こういう経験的事実から上の予想が生まれたのである。A.F.メービウスは1840年にこの予想を数学化して証明するという問題を提出したといわれているが,有名になったのは79年にA.ケーリーがロンドン地理学協会でその困難さを指摘してからである。それ以来,四色問題は問題そのものが簡単でだれにでもわかりやすいところから多くの人びとの関心を呼び,証明のための努力がなされた。そして90年にはヒーウッドP.J.Heawoodによって5色あれば色分け可能であることが示され,1937年にはフランクリンP.Franklinによって国の数が36以下であるときは4色で十分であることが示されたが,本質的な進展はみられず,永い間難問とされていた。しかしながら,76年になってこの難問も大型コンピューターの使用によりアッペルK.AppelとハーケンW.Hakenにより肯定的に解決された。彼らは地図の色分け問題は型の異なる1936個の標準的な地図の色分け問題に帰着できることを示し,コンピューターの使用により標準的な地図はいずれも4色で塗り分けられることを確かめたのである。このようにして,とにかく四色問題は解決されたのであるが,トーラス(浮輪の表面)上に描かれた地図については,7色で色分け可能で,それ以下では色分けできない地図の存在することが比較的容易に証明できる。
執筆者:中岡 稔
→四色問題(ししょくもんだい)
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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