定位脳手術(読み)ていいのうしゅじゅつ

家庭医学館 「定位脳手術」の解説

ていいのうしゅじゅつ【定位脳手術】

 定位脳手術は、50年以上の歴史があります。大脳だいのう)の内側にある基底核(きていかく)や視床(ししょう)といわれる部位を小さく破壊することにより、反対側の手足振戦(しんせん)や固縮(こしゅく)を軽減ないしは消失させます。
 頭蓋骨(ずがいこつ)に小さな穴をあけ、細い針を刺し入れる方法とはいえ、脳出血などの合併症が皆無ではないこと、最近は各種の有効な薬剤が登場してきたことで、手術件数は減っています。しかし、最終的にこの手術が適応になる場合もあることは事実です。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「定位脳手術」の意味・わかりやすい解説

定位脳手術
ていいのうしゅじゅつ
stereoencephalotomy

頭蓋に小さな穿孔をつくり,この穿孔を通して,脳表面から深部の目標に向って細い穿刺針を正確に刺入し,限局的な破壊巣をつくる手術をいう。破壊の方法には,機械的破壊,化学的破壊,熱凝固,凍結破壊,超音波破壊,放射性同位元素による破壊などがある。適応症はパーキンソン症候群舞踏病アテトーゼ痙性斜頸などの不随意筋運動症のほか,進行した乳癌前立腺癌脳腫瘍,各種の疼痛などの治療にも応用されている。

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