中国哲学研究者。高知県生まれ。京都帝国大学経済学部・文学部卒業。のち同大学文学部教授(支那(しな)哲学史専攻)。1920年(大正9)、本田成之(ほんだしげゆき)(1882―1945)、青木正児(あおきまさる)とともに雑誌『支那学』を創刊。この雑誌は、それまでの日本の「支那学」研究が多少とも残していた江戸漢学的臭みを一掃する画期的な意味を有した。小島の中国哲学研究は、唯物史観的方法論にたち、たとえば孔子なり墨子(ぼくし)なりの背後の社会環境からその思想を説明しようとする。しかも孔子や墨子の倫理説よりも、政治経済説に多く興味を抱く。フランスの「シナ学」の民俗学的方法論をも早く吸収した。著書に『古代支那研究』『中国の社会思想』『中江兆民』などがある。
[本田 濟 2016年3月18日]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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