サルトルの著作。1960年刊。『存在と無』(1943)に続く第二の大作である。基本的にマルクス主義の正当性を肯定しながらも、その硬直した教条主義を批判し、人間の自由を肯定する実存主義をそのなかへ織り込むことによって、マルクス主義に若き活力を取り戻そうとするものであった。弁証法的理性とは、歴史を客観的事象として外から眺める分析的理性と違って、実践的に歴史のうちに参入することによってその意味を了解しようとするものである。またそれは、「歴史的、構造的な人間学」を構成しようとする試みともされている。この著書には長文の「方法の問題」という論文が巻頭に置かれているが、本論は第一巻のみで未完に終わっている。
[西村嘉彦]
『平井啓之訳『方法の問題』(1962・人文書院)』▽『竹内芳郎・矢内原伊作・平井啓之・森本和夫・足立和浩訳『弁証法的理性批判』全三巻(1962~73・人文書院)』
外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新