デジタル大辞泉
「後方」の意味・読み・例文・類語
しり‐え〔‐へ〕【▽後▽方/▽後】
1 後ろのほう。後方。
「万丈の山千仞の谷前に聳え―に支う」〈鳥居忱・箱根八里〉
2 競技や物合わせをするときの右のほうの組。
「上の女房、前―と装束き分けたり」〈源・絵合〉
[類語]後・後ろ・後方・背後・後部・後面・直後
あと‐べ【後▽方/▽脚辺】
《古くは「あとへ」》
1 (後方)後ろの方。
「鉄柵よりは数尺ばかりも、―に立ち」〈竜渓・経国美談〉
2 寝るときの足の方。
「頭辺に匍匐ひ、―に匍匐ひ」〈神代紀・上〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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しり‐え‥へ【後方・後】
- 〘 名詞 〙
- ① しりの方。後ろの方。後ろ。こうほう。
- [初出の実例]「安羅、新に高堂(との)を起(た)てて、勅使(みかとつかさ)を引(ゐ)て昇(のぼ)る。国の主、後(シリヘ)に随(た)ちて階を昇る」(出典:日本書紀(720)継体二三年三月(前田本訓))
- 「しりへなる岡には、松の木どもあり」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月九日)
- ② 競技や物合わせの時の右方の組。左方のあとで行なうところからの称。
- [初出の実例]「かたみに射手(いて)率(ゐ)るとぞ、しさわぐ。しりゑのかたのかぎり、ここにあつまりて」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
- ③ 後宮をいう。皇后などの住む所。しりえの庭。しりえの宮。
あと‐べ【後方・脚辺】
- 〘 名詞 〙 ( 古くは「あとへ」 )
- ① 寝ている足の方。⇔枕辺(まくらべ)。
- [初出の実例]「頭辺(まくらへ)に匍匐(はらば)ひ、脚辺に匍匐ひて哭泣(なきいさち)、流涕(かなしび)たまふ。〈略〉脚辺、此をば阿度陛(アトヘ)と云ふ」(出典:日本書紀(720)神代上)
- ② 後方。しりえ。
- [初出の実例]「キャアッと声たて一度に後方(アトベ)へ筋斗(とんぼがへる)拍子に」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)五)
あと‐かた【後方】
- 〘 名詞 〙
- ① あとのほう。うしろ。しりえ。こうほう。
- [初出の実例]「殿のあとかたに寄り奉らせ給ひしかば」(出典:類従本讚岐典侍(1108頃)下)
- ② のちのこと。また、死後のこと。
- [初出の実例]「花車重吉は江戸へ帰りました。跡方は惣吉といふ取って十歳の子供とお隅に母親と」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉六八)
うしろ‐がた【後方】
- 〘 名詞 〙 時間的に二つに分けてあとの方。特に、臨時の儀式である殿上の賭弓(のりゆみ)で、射手を二組に分け、二度目に射るほうの組。⇔前方(まえかた)。
- [初出の実例]「又賭弓(のりゆみ)あれば、前方、うしろかたと、ことどもわきて」(出典:栄花物語(1028‐92頃)歌合)
のち‐かた【後方】
- 〘 名詞 〙 のちほど。後刻。
- [初出の実例]「まっ此よふにあちらこちら、かへてしからば後かたまで、其状箱は足軽弐人へ、預けて置けば互に目代(めしろ)」(出典:歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立)
しる‐え‥へ【後方】
- 〘 名詞 〙 「しりえ(後方)」の上代東国方言。
- [初出の実例]「行こ先に波なとゑらひ志流敝(シルヘ)には子をと妻をと置きてとも来ぬ」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三八五)
こう‐ほう‥ハウ【後方】
- 〘 名詞 〙 うしろのほう。後面。〔医語類聚(1872)〕
- [初出の実例]「兵タイをのせてゐた橇は、三露里も後方に下って」(出典:橇(1927)〈黒島伝治〉七)
しり‐ざま【後方】
- 〘 名詞 〙 後ろの方向。しりえ。
- [初出の実例]「しづかに聞え侍らんと思ひて、しりざまにつきてまかり侍りぬ」(出典:撰集抄(1250頃)三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の後方の言及
【兵站】より
…アメリカ軍ではロジスティックスlogisticsといい,自衛隊(陸上自衛隊を除く)では後方と呼ぶ。作戦軍の生存と活動を維持・増進するため必要な軍需品,補充員等を本国から追送し,また死傷者,損傷兵器等を取り除いて本国に後送し,それによって作戦を支援する,戦闘地帯から後方の軍の諸活動・機関・諸施設を総称して兵站という。…
※「後方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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