普及版 字通 「復(漢字)」の読み・字形・画数・意味
復
常用漢字 12画
[字訓] かえる・むくいる・くりかえす・たまよばい・また
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
声符は(ふく)。は量器を反覆する形。道路の意の彳(てき)を加えて、往来反復の意とする。〔説文〕二下に「來するなり」と訓し、復帰の意。金文の〔鼎(こつてい)〕に「厥(そ)の絲束を復せしむ」「則ち復命せしむ」のように、返付・返報の意に用いる。もとの状態に回復することをもいい、招魂の儀礼を復という。復するときは屋上に上って北し、衣を以て招き、「皋(ああ)、某復(かへ)れ」とよぶ。
[訓義]
1. かえる、もとへかえる。
2. つぐなう、むくいる、おぎなう、こたえる。
3. くりかえす、反復する。
4. たまよばい、招魂続魄。
5. ふむ、おこなう、あかしをたてる、実行する。
6. もどる、おちつく、おわる。
7. また、ふたたび。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕復 マタ・カヘル・カヘリテ・ムクユ・マサル・カハル・ソフ・オホフ・ツグ・トル・ツカフ・カフル・フタタビ・カヘリミル・マタスルコト・カヘス・カサネテ
[声系]
〔説文〕に復声として(覆)・・など五字を収める。に反覆の意がある。は〔詩、大雅、緜〕に「陶復」とあるもので、地室をいう。
[語系]
復・biukは同声。は複の初文とされる字で、〔説文〕九上に「重なり」という。複piuk、phiukにみな重複の意がある。また報puと声義近く、報告・報復の意において通用する。
[熟語]
復位▶・復円▶・復官▶・復議▶・復啓▶・復逆▶・復言▶・復元▶・復原▶・復国▶・復坐▶・復思▶・復始▶・復次▶・復習▶・復讐▶・復初▶・復書▶・復除▶・復真▶・復申▶・復性▶・復正▶・復生▶・復聖▶・復胙▶・復租▶・復▶・復旦▶・復重▶・復轍▶・復土▶・復沓▶・復陶▶・復道▶・復魄▶・復白▶・復反▶・復▶・復辟▶・復補▶・復命▶・復面▶・復礼▶・復活▶・復帰▶・復起▶・復旧▶・復穴▶・復古▶・復候▶・復興▶
[下接語]
往復・回復・復・凱復・起復・給復・匡復・興復・克復・剋復・三復・修復・習復・酬復・紹復・申復・振復・重復・拝復・反復・平復・報復・本復・来復
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報