思染(読み)おぼししむ

精選版 日本国語大辞典 「思染」の意味・読み・例文・類語

おぼし‐し・む【思染】

[1] 〘他マ四〙 (「おもいしむ(思染)」の尊敬語) 心にしみこむほどにお思いになる。
落窪(10C後)一「さもきき奉りしほどよりも物おぼししみざりける」
[2] 〘他マ下二〙 (「おもいしめる(思染)」の尊敬語) 心に深くしみこませなさる。
源氏(1001‐14頃)夕顔「女はいとものをあまりなるまでおぼししめたる御心ざまにて」

おもい‐そ・む おもひ‥【思染】

[1] 〘他マ下二〙 深く心中に思う。強く恋い慕う。
※源氏(1001‐14頃)東屋「こどもおほく侍れど、これはさまことに、思そめたる物に侍り」
[2] 〘自マ四〙 こうしようという気持が深くなる。強く決心する。
※米沢本沙石集(1283)一「人の心は、ふるくしなしぬる わざは捨てがたく、思そみぬる心は忘れ難きままに」

おもい‐し・む おもひ‥【思染】

[1] 〘他マ四〙 心にしみこむほどに思う。深く思いをかける。
※落窪(10C後)二「かの少将は北の方いとねたく憎くて、いかでこれにわびしと思はせむと思ひしみにければ」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒おもいしめる(思染)

おもい‐し・める おもひ‥【思染】

〘他マ下一〙 おもひし・む 〘他マ下二〙 深く心にしみこます。
※枕(10C終)五「蔵人思ひしめたる人の、ふとしもえならぬが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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