戒め(読み)イマシメ

デジタル大辞泉 「戒め」の意味・読み・例文・類語

いましめ【戒め/×誡め/警め/縛め】

前もって注意すること。また、その言葉訓戒。「今後の―とする」
過ちを犯さないようにこらしめること。「―に廊下に立たされる」
(縛め)しばること。また、その縄。「―を解く」
禁錮監禁処罰
「秦の始皇にとらはれて、―をかうぶること十二年」〈平家・五〉
用心すること。警戒
「これが後ろめたければ、公人おほやけびと、すまし(=下級女官)、長女をさめなどして絶えず―に遣る」〈・八七〉
[類語]いさめる意見諫言諭す諫死注意説教𠮟責諌止苦言忠言忠告勧告警告心添え戒めるたしなめるとがめる言い聞かせる言い含める因果を含めるくぎを刺す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「戒め」の意味・読み・例文・類語

いましめ【戒・誡・警】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いましめる(戒)」の連用形の名詞化 )
  2. あやまちのないように、前もってする注意。訓戒。警告。
    1. [初出の実例]「いましめを大集経の偈(げ)にのこせり」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
  3. 行動を禁止したり抑制したりすること。
    1. (イ) してはいけないと止めること。禁止。制止。禁制。
      1. [初出の実例]「冀ふ所は、永代に以て鏡(あきらか)なる誡(イマシメ)と為よ」(出典:日本書紀(720)天智六年二月(北野本訓))
    2. (ロ) よくない行為を二度としないようにしかること。懲らしめ。懲戒
      1. [初出の実例]「帰り参りてかくなん侍るとうれへ申しければ、いましめはなくて、仰せられけるは」(出典:今鏡(1170)九)
  4. 自由がきかないように、縛ったり閉じ込めたりすること。捕縛。禁固。また、処罰。
    1. [初出の実例]「獄に被禁れぬ。〈略〉我れ重き誡を蒙れり」(出典:今昔物語集(1120頃か)六)
    2. 「我罪なうしていましめをかうぶり」(出典:仮名草子・伊曾保物語(1639頃)上)
  5. からだを縛っている縄。また、比喩的に、人の自由を束縛するもの。
    1. [初出の実例]「李海方(りかいはう)真向(まっかう)二つにさっと切わって后のいましめ切ほどき」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)一)
  6. 用心して備えること。警戒。
    1. [初出の実例]「その程も、これがうしろめたければ、おほやけ人、すまし、長女(をさめ)などして、たえずいましめにやる」(出典:枕草子(10C終)八七)

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