普及版 字通 「戯(漢字)」の読み・字形・画数・意味
戯
常用漢字 15画
(旧字)戲
人名用漢字 17画
[字訓] たわむれる
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
旧字は戲に作り、(き)+戈(か)。は〔説文〕五上に「古陶なり」とするが、その器制も明らかでない。は虎頭のものが豆形の台座に腰かけている形。それに戈で撃ちかかる軍戯を示す字であろう。金文の〔師虎(しこき)〕に「として左右戲のを官(司)せしむ」とあり、「左右戲」とは軍の偏隊の名であろう。〔左伝〕に「東」「西」の名があり、〔説文〕十二下に「戲は三軍のなり。一に曰く、兵なり」とし、字を声とする。「左右戲」の用法が字の初義。麾・旗と通用し、麾下をまた戯下という。戯弄の意は、虎頭のものを撃つ軍戯としての模擬儀礼から、その義に転化したのであろう。敵に開戦を通告するときに、〔左伝、僖二十八年〕「ふ、君の士と戲れん」のようにいうのが例であった。嶷・巍と通ずる字で、〔玉〕に「は嶮、巓きなり」とあり、山巓の険しいさまをいう。
[訓義]
1. 軍の部隊名、いくさの偏隊、いくさ、たたかう。
2. たわむれる、あそぶ、からかう。
3. 演戯、演劇。
4. ああ、感動詞。
5. 嶷・巍(ぎ)と通じ、高くけわしいさま。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕戲 タハブル・タハブレ・オヨク・モテアソブ・メス/於戲 ア 〔字鏡集〕戲 ツハモノ・メス・ホトコス・ハタ(タハ)ブル・オヨク・モテアソブ・ヲヒク
[熟語]
戯衣▶・戯詠▶・戯宴▶・戯園▶・戯下▶・戯楽▶・戯館▶・戯玩▶・戯戯▶・戯謔▶・戯曲▶・戯劇▶・戯戟▶・戯言▶・戯語▶・戯娯▶・戯狎▶・戯▶・戯作▶・戯衫▶・戯書▶・戯倡▶・戯笑▶・戯場▶・戯縄▶・戯辱▶・戯▶・戯怠▶・戯台▶・戯談▶・戯竹▶・戯▶・戯適▶・戯▶・戯▶・戯▶・戯頭▶・戯▶・戯馬▶・戯班▶・戯筆▶・戯婦▶・戯侮▶・戯物▶・戯文▶・戯墨▶・戯慢▶・戯面▶・戯目▶・戯遊▶・戯予▶・戯弄▶・戯楼▶
[下接語]
悪戯・異戯・逸戯・戯・影戯・奕戯・演戯・燕戯・歌戯・角戯・赫戯・観戯・奇戯・嬉戯・伎戯・鞠戯・謔戯・球戯・局戯・禽戯・群戯・言戯・娯戯・采戯・作戯・詩戯・児戯・車戯・手戯・笑戯・象戯・杖戯・戯・怠戯・攤戯・跳戯・調戯・抵戯・戯・博戯・秘戯・百戯・戯・戯・遊戯・弄戯
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報