デジタル大辞泉
「手先」の意味・読み・例文・類語
た‐な‐さき【▽手先】
1 手のさき。ゆびさき。
2 鷹狩りで、鷹を止めておく左手のゆびさき。徒前。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
て‐さき【手先】
〘名〙
① 手のさき。指のさき。
※風姿花伝(1400‐02頃)二「袖の長き物を着て、手さきをも見すべからず」
※
吾輩は猫である(1905‐06)〈
夏目漱石〉七「割合に手先の器用ばかりで
総身の筋肉が働かない」
※太平記(14C後)二六「五百余騎、東西より相近(ちかづい)て、手崎(サキ)をまくりて中を破らんとするに」
③ 手下として追いつかわれるもの。
※
雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「名を松田肇と呼び〈略〉常に
川岸の手先となりて奔走する」
④ おかっぴき。めあかし。探偵。
※法曹後鑑‐享和元年(1801)五月(古事類苑・法律四九)「盗賊火附改組之者に而、近頃手先と唱、目明同様之ものを専ら召仕」
⑤ 雁股(かりまた)、兜(かぶと)の吹返し、空穂(うつぼ)などの武具類の先端をいう。
※
平家(13C前)四「浄妙房が甲
(かぶと)の手さきに手をおいて」
⑥ 建築の用語。
(イ) 扉の釣り元から最も遠い方。
(ロ) 二枚畳みの唐戸で枠に遠い方の戸。
(ハ) 土蔵の扉の縁に付けられた幾重かになっている段。
(ニ) 斗組
(ますぐみ)で、壁と
直角に外方に突き出している斗と肘木。その出る
度合により二手先
(ふたてさき)、
三手先(みてさき)などという。〔
匠明(1608‐10)〕
⑦ 帯の先端部の折り出しの部分。
※
仮名草子・都風俗鑑(1681)三「帯の手先
(テサキ)、はりさしのかたはしにも彼もんを付る也」
た‐な‐さき【手先】
〘名〙
① 手のさき。ゆびさき。
※二十五絃(1905)〈
薄田泣菫〉天馳使の歌・なかだえ「かい拡げたる手先
(タナサキ)の
後髪にも触るるやと」
※六条院宣旨集(12C前‐中)「はし鷹をわがたなさきに引き据ゑてとだちのかたをみよりなりけり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報